第47話 秋澄めり 🫧
秋澄みて泰山木の連理かな
水鳥の剽げてあそぶ水の秋
日輪の鱗粉まとふ花すすき
川急ぐ白鳥の空あふぎつつ
秋澄むや音楽祭の旗の街
開館を待つ史料館水の秋
秋澄みてひかりの粒子かがよへり
ひらがなのあをぞらのあを水の秋
大きな顔の犬のおすはり秋高し
風わたりコキアの紅を深めけり
さやけしや人形姉妹ほほゑめる
爽涼の椅子の軋みのかすかなり
子を負ひて立つ厨ごと水の秋
喃語聴く背中の温し秋澄めり
秋澄みてオニオンスープ飴色に
ハート型鯵のフライや水澄めり
星ながれ幼ひとつを残しゆく
今生の想ひを引きて星飛びぬ
秋澄みて鳥の形の雲ふたつ
鳴動の波動つたふる水の秋
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