第48話 古城の四季 🏯
天守より眼下になびく花の雲
二之丸のざはめく気配花の宴
桜蕊降るやウクレレ弾き語り
お方さま愛でし座敷の白牡丹
おぼろ夜の商人町のまちむすめ
はうじ茶の香る城下や菜種梅雨
あばれ川治る城主夏の風
門番の黒き幻影夏さかん
緑蔭に人力車夫ら憩ひけり
裏切もいまは昔の晩夏かな
良夜なる月見櫓に雅楽の音
姫君の小さき顔かんばせ十三夜
秋澄みて城下を奔る水の音
白鳥の舞ひ来し堀の玲瓏と
秋麗やサムライ求め異国から
星飛ぶや鳴りを潜めて猫と鳩
青空に放つ蓮の実外の堀
内堀の水草紅葉や太鼓橋
雪巓のするどく尖る花頭窓かとうまど
苔むせる野面積なり春近し
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