第11話 古墳の里 🍈



西空に尖る山巓別れ霜

連山を巡らす盆地風光る


風なくて浅間駘蕩春田打

雲低く古墳のねむし花杏


かきつばた江戸期に拓く用水路

花冷の鷹匠町の裏小路


夕風のかすかな枝垂桜かな

行く春や碓氷峠の長き橋


集落を縫ひゆく堰や夏木立

夏芝居繊維工場の跡地にて


パルコ前にピンクの車夏氷

雛僧の肩の撫で肩茄子の馬


永訣の分水嶺のほたるかな

廃校の窓のぴかぴか秋の雲


日の色を分けて耀う葉鶏頭

繊月の研ぎて釣らるる夜寒かな


堀越に黙せる天守クリスマス

教会の真白きイエス十二月


冴返る電気ケトルの赤ランプ

冬晴や大きくまはるトレーラー




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