二十六、洞天仙会〈一〉
時の流れとは早いもので、
早朝、
その中に何人かメインキャラに見える者もいて、
今日のまとめ役は北峰の
「今回、東峰の
入門時期が異なる他の仙門からは
「今年は東西南北の対抗戦じゃ。洞天に隠された天宝をいち早く探し出せた組を首位とする。洞天には様々な妖魔が住んでおるが、相対したら必ず倒すこと。リタイアした場合は失格じゃ」
既に内容を承知していた
「ただし、谷や崖には近づかないこと。奈落は危険だ。万が一落ちてしまっても命の保証はできぬ」
最後に
(あはは……俺のことかな……)
班分けの結果、
原作では
「
「ふん、今日こそ勝つつもりだったのに一緒の班だとはな」
「ふふ、俺は嬉しいよ」
「ま、まぁ……俺も……」
(なんか、距離が近くなってる)
交流会の時よりも二人の距離感が縮まったのは
「
「
「僕は
こっちの二人はにこやかに手を握りあっているが、どちらも貼り付けたような隙のない笑みだ。腹黒二人、正直いって怖すぎる。
(
(それを言ったら俺もだけどね)
「
「俺たちも負ける気はないぞ」
別の班になった
全班の確認が済み、いよいよ仙会が始まる。参加する者たちは洞天の入口に立つ。
一見こじんまりとした入口だが、木々に囲まれた光を放つその洞窟の中に身を投げれば、異空間へと移動できるのだ。
「これより開始とする! 参加するものは中へ進め!」
周氏の合図で、北峰から順に修仙者中へ入っていく。
「師兄ー! 修行の成果を見せれるように頑張ります!」
「行ってきまーす! 終わったら打ち上げしましょう! 打ち上げ!」
(生き残って
心の背中を押された
◇◇◇
霊気漂う洞窟を通った先に現れたのは広大な山岳だった。爽やかな香りと涼しい風、青々と清々しく広がる自然はまさに修行にぴったりの場所である。
ここから空を見ただけでも、仙獣である麗らかな鳥が自由に空を飛び回っていた。
各班別々の場所に飛ばされる仕組みになっているが、
早速天宝を探すことになり、
「ねぇ、
「その強そうなやつを探せば見つかるんじゃないか?」
「たしかにそうかも。天宝って、具体的になんなのか教えて貰えなかったけど……どんなものなんだろう」
「光ってたりするんじゃねーの? 流石になにか目印はあるだろうし」
「なんでも斬れる剣だったりしないかな」
「ははっ、なんでも防げる盾かもしれねーぞ」
前を歩く
(せっかく二人の何気ないやりとりを見られるってのに、俺はまたもや途中退場か……)
一方、後ろを歩く
交流会で
「グァァァッ!!」
そうこうしているうちに、向かい側から邪鬼の群れが襲いかかってきた。
「滅!」
「はあっ!」
続けて
「
「ああ!」
(かっけー!!)
「
一方、
(法器もいいなぁ! 俺も杖とか符とか使いたい! 帰ったら印符作ろ〜)
自分の考えたかっこいい戦闘を間近で見ることができて、感動の涙が出てきそうだ。
「俺も敵を……ってあれ?」
「あのー、
「へい──じゃなくて
「そ、そう……」
(ちゃんと
(まあ、
原作の弱い
戦闘が一段落して、奥の方へと歩みを進めていると、近くから黄の深衣を纏った修仙者の男たちが現れた。男たちは宵珉たちの前に立ちはだかり、行先を阻む。
「おや、そこにいるのは東峰のひよこちゃんたちじゃないか」
「ははっ、俺たちが守ってやろうか?」
こちらよりも歴が長いのだろう男たちは、
「チッ。まだ入ったばっかだからって、バカにしてんだろ」
不服そうな
(黄色い服……南峰の
すると、隣の
「あの、俺たちの邪魔をするより、自分の身を案じた方がいいと思いますけど……」
ずっと黙っていた
「はぁ?」
「お、おい、危ねぇって!」
顔を顰める男たちだったが、後ろから大きな妖魔が迫って来ていることに気がつくと、ドタドタと慌て出す。
「おお! でっか!」
「ハッ、情けねぇ」
二人の攻撃に合わせて、
「俺も!」
「蒼氷乱舞!」
「ギィィイイッ!!」
「よし!」
「やった!」
「
「僕たち、いいコンビネーションだったね」
「皆、強いな〜!」
五人で勝利を喜びあっていると、背後からガサッと布ズレの音がして、男たちの存在を思い出す。
「せ、先輩に向かってなんだその面は!」
「もう知らねぇからな!」
南峰の男たちを一瞥すると、彼らはよろよろ斗立ち上がり、奥の方へと走っていった。
「あーいっちゃった」
「南峰の修仙者って、あんな感じなのか?」
「あの人たちは天宝を見つけられないだろうね」
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