十六、交流会〈一〉
交流会当日。
ここは
「お、
「相変わらず自信に満ちたご登場だな」
どうやら今日の交流相手である
(流石主人公の属する仙門! 登場がカッコイイ〜〜!!)
おそらく、あの男は
「あっ」
まさに、
(カミサマありがとう! 俺の想像そのものの
キラキラと輝く翡翠の瞳に、さらりと流れる緑の黒髪、爽やかで静謐な顔立ちが眩しい。嗚呼、イケメンだ……。
(ついに、
身長は
「
「……
「あれ、少し背が伸びたか? 今日はよろしくな」
「ふん、余裕ぶってられるのも今のうちだ。今に見てろ、俺はおまえなんかに負けないからな!」
「ははっ、俺も負けないぞ」
スパダリ
(こうやって直に見てみると、オーラが違うな……主人公だからか、なんかキラキラしてる気がする……)
二人の会話が終わると、
「君は……」
「俺は
「
(
殺されるかもしれない相手だ。仲良くしておかねば。
「
続けて、三つ編みの少年が手を振りながらこちらへ走ってくる。
すると、
(おおっ、この子が
彼は
加えて、
「久しぶりだね、
「
「僕は
「ああ」
差し伸べられた手を取り、握手を交わす。
是非とも
「そろそろ始めようか」
雑談していた弟子たちは整列して、師兄たちの方を向いた。
「今回は洞天仙会に向けての合同訓練のようなものだ。東に位置する仙門同士高め合おうということで、交流会を行うことにしたんだ」
「今回は妖魔狩りを行う。制限時間内に秘境の妖魔を倒し、なるべく高い点数を稼ぐこと。低級を倒せば一点、中級は三点、ボスを倒せば二十点だ。点数は手の甲で確認できるようにしてある」
今回の秘境には、演習の時のような低級の邪鬼だけではなく、様々な妖魔が蔓延っている。演習時より難易度は高い。さらに今回は個人戦だ。他の誰かの力を借りることは出来ない。
「
一方、
「
続けて、
すると、
(ひひっ、注目されるのも悪くないな)
期待に応えられる自信は十分にある。このひと月ほどでとても強くなったのだ。
「秘境の中では、常に私か
「銅鑼が鳴ったら開始だ。準備はいいか?」
「
「ふん、一位になるのは俺だ」
「開始!」
(さて、どうしようかな)
今回は
その中で一位を狙うならば、ボスを狙うのが手っ取り早い。
(でもなぁ……)
原作では、秘境のボスを最初に見つけるのは
その危機一髪のところで、
悲しいかな、
(俺は大人しく小物を狩りまくるしかない……。くそー! ボスのことなんて忘れてたよ!)
というわけで、
数分も経たないうちに呻きながら這い回る巨大なトカゲのような妖魔を発見する。
「はぁっ!」
その後も、コウモリの羽の生えた飛び回る妖魔や、大きな口と鋭い牙を持つ二足歩行の妖魔、ドロドロした邪鬼など低級の妖魔を次々と倒していく。
低級の妖魔には人型はおらず、使う術や攻撃、行動パターンも単純なものが多い。
「低級しかいないぞ……」
(中級の妖魔を探さないと……)
そう考えながら走り回っていると、道が交差しているところに、邪鬼がいるのを見つけた。
「えっ」
ところがその瞬間、右の方から赤い炎が放たれ、邪鬼が消し炭となってしまった。
(
「
冷ややかな表情で剣を握り、塵となった邪鬼を見つめるその少年は
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