新作掌編「女と女」



「悲鳴を上げ、目の前に男がいればその男が悪くなる……、少なくとも第一印象は男が悪くなるよな……。これって女に有利過ぎる。

 常に喉元にナイフを突きつけられているようなもので、既に首の皮一枚、切っているようなものじゃないか――。

 男と女の間の溝が広がっていくのは、こういう危険性を孕んでいるからだと思うんだけど……それに、やろうと思えばすぐにでもできてしまう――そりゃあさ、女って嫌われるよな」



「それを女の総意みたいに言わないで。

 そういうやり方で陥れてるのはアンタだけでしょ」


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