新作掌編「色違い」


「では最後に一言、コメントを頂けますか!」


 舞台上でマイクを向けられ、無茶ぶりをされた。


 想定していなかった俺が悪いが、マイクを向けられて一瞬で答えられるわけもなく、


「えっと……すみません、頭の中、真っ白です……」

「あ、急でしたもんね、すみません」


「あ、いえ、思いついてはいるのですけど、人前で言うことではないので……――真っ白とは言いましたけど、実際はピンク色ですね」


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