「ウィッシュ」のマグニフィコ王についてちょっと考えたんですけど、あの王様、やたら同情されるけど実際は破滅して当然の人だなって思った。

ヨーダ=レイ

第1話

 スターがいわば「人気」「流行り」みたいな「スター性」を具体的なキャラクターへと落とし込んだものであるなら、マグニフィコ王がやるべきだったのは「スターと上手く折り合いをつけて手懐けること」であり、闇の魔術みたいな暴力で支配することでは無かった。

「ウィッシュ」のスターは「面白いことや楽しいことをひたすら面白がる」というシンプルな性質なのだから、マグニフィコ王も単純に「スターが面白がること」だけを追求していれば手懐けるのは簡単だったはずなんだよね。

 そんなスターと上手く折り合いがつけられなくなった時点、つまり「純粋に面白いことを追及できなくなった」時点で、マグニフィコ王は自分のエンターテイナーとしての才能に見切りをつけるべきだった。それにマグニフィコ王は為政者、つまり経営者としてやれる道はまだあったのだから、エンターテイナーとしてはアーシャのような後進に道を譲るか育成支援に回るべきだった。

 虚栄心だの支配欲だのに執着してその点を踏み違えた時点でマグニフィコ王は「やるべき努力を怠った、努力の方向性を間違えてる」のであり、そういう怠惰で愚かなエンタメ界隈のエゴイストが最後どうなるか?ってことを考えれば、マグニフィコ王が破滅するのは極めて当然なんだよね。


 ただ、そういう話に共感できる人ってエンタメジャンルのわりとニッチな界隈で、しかもその界隈でもかろうじて共感できるか?自分の身に振り返れるか?とても微妙なところなんだよ。

 なんでわたしごときに思い至ることに誰も言及しないかっていうと、巷のエンタメジャンルの住人の大半は自分のことをマグニフィコ王側の人間=被害者だと思っているからなんだよな。だからマグニフィコ王に同情するのだろう。(まあ実際のところは「ウィッシュ」をセンス良く皮肉れば皮肉るほど、実際にはアーシャ側の人間であることが露呈してゆくのだが)

 なので、ここはやっぱりマグニフィコ王を主役にして、失敗して、改心して、上手い落としどころを見つけて上手くやってゆく、そういう筋立てにした方がウケは良かったんじゃないかなあ。


 まあこれだと「才能がない奴は、才能あるスター様の養分になってろよw」って話になっちゃうから、あんまり夢は無いけどねw

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