「世界でいちばん遠い夏」
青い浴衣で打ち上げ花火を見上げながら
「きれいだね」とつぶやいた君の姿が
世界でいちばん遠く見えた
指でつくったフレームに
焼きつけようとしたけれど
夕暮れの街並みにとけていった
高速バスのターミナルで
束の間の別れを惜しんだ
寂しさを包んだ君の笑顔は
これから向かう都会よりも遠く感じた
季節が変わるたび
積み重ねていくものに
気づかないフリをした
振り返らずに夏はゆくけれど
一度だけ立ち止まって 振り向いたら
また前を向いて歩いていくんだ
あの夏
もう返らない夏
世界でいちばん遠い夏
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