第40話 Mr. ネズミバーガー(非常に危険な言い分です)
馬場が
「ここが行くって言ってた、松本良順クリニックか」
内科、歯科、整形外科となんでもござれの
ただ2、3歩歩けば忘れるもの。受付ではすっかり鼻を伸ばしていた。
「うちの上司が来てなかったかなぁ? 宮武って言うんだけど」
受付の彼女はパソコンを打ちながら対応する。
「さあ、知らないですよ。人探しなら、警察へ行ってください」
「んもう~~~、素っ
馬場の浮ついた目と甘ったれた
「そうですか。患者でしたか。それでは順番に呼びますから、そこでお待ちください」
まったくの
「いや、待て! いや、待てないって!
たぶん君の口づけだけで
下品な新聞記者がいたものだ。ただ、意外にも彼女は身を乗り出す。みずみずしい
ここで彼女は
「こっちはね。そんな遊んでいる時間、1秒もないんです。
口づけ?
それはあまりにドスの利いた声だった。急に青ざめる馬場である。
「すまん、すまん!
きっと、俺の上司は来てなかったんだな。うん、すれ違ったかも。マックでも買って帰るとするよ」
「アラッ、そうですか。それではもう、来ないでいいからです」
すべてが終了。
その帰り道だった。馬場は生活用の短い橋へ足を運ぶ。
そこにはトタン板と
「生きているか~~~」
馬場の呼びかけに返事はない。
彼とは古い付き合いだった。昔は
勝手に小屋の入り口をめくり上げる。
すると、目の前には足の
なぜか小屋の奥には古い自転車、アンテナの折れたラジオ、
顔を出したのはぞうきんのような顔色のフジタ。
「やあやあ、スマイル0円や。よう来てくださった」
そのわりには軽口だ。手に持っていたあかだらけのコップが生々しい。何か飲むかと言われたが、
「……体は大丈夫か?」
「大丈夫やが、
とてもウザい、頭も口も環境も!
やはり、
「じゃあ、少しでも良くなってくれ。とりあえずこれでも食いな」
「悪いわな~~~。いつも差し入れ、ありがとさん。
昔は本の
この100円バーガー、大事にいただかせてもらうさかい」
それにしても鼻につく、うさん臭いなまりである。
その上、ヒゲのような
使い回している
なぜなら、フジタは
「これでダブルバーガーの完成や。一口、どうや?」
さすがの馬場も首をふる。
「うぇ…、お気になさらず」
それでもフジタは引っ込めない。
「そう言わずにや。動物性タンパク質は大切やで~~~。
しかしなぁ、仏教ルールで四足の動物は昔っから禁止やったんや。んで、わいらの身長は止まった。そんでちっこい日本人は
もともとは仏教の教えにならった食生活。日本人の良い意味でヘルシー
おかげで米・
だが、馬肉・牛肉・豚肉などが解禁。
残念ながら、仏教の世界がダーウィンの進化論や科学によって先進国から否定されたからだ。(
そして肉の販売はNGではなく、うかるビジネスへと変わる。誰もが口にするものになっていく。
ただし、暗雲。第2次世界大戦だ。
1940年の日本では7.7禁令により不要不急のぜいたく品の製造や販売が禁止された。このことにより、取り扱う業者が激減。食料にいたっては
ここでハンバーガーを食い散らかすフジタだ。
「そうは言うてもな、一度口にした味は忘れられんよ。それも貧しいとより一層、あんときの味を美化するんよ。ただ、だ~~~れも売る奴がおらんかった。
そうや。だから、戦後にこれらのマーケットを支配したんは日本で暮らしとった第三國人(中国人・朝鮮人)やったんや。
なぜなら、すぐに中国や朝鮮で内戦がおっぱじまったからな。
武器が動けば人も動く。人も動けば物も動く。物が動けば金も動く。そして金が動けば
もともとシンジケートを
んで次に、あいつらはもうけた金で
実際はホンマ、わいらはみすぼらしい犬やった。あいつらは何かあれば戦争犯罪を持ち出してきよる。加えて武器もドンパチ、ぎょうさん持ってる。ドスがなんの役に立つ? たてついても割に合わんからな」
回想に熱がこもってしまったのだろう。顔を赤らめるフジタであった。
「ついには気張って、警察にうったえてみるんよ。
ところが、ウザい顔で取り込み中だと!
信じられんわ! あいつらからもらったタバコで
そこで、ようやく気づいた。そもそもや。そのタバコもアメリカ産。第三國人の後ろにも、アメリカがちらついとる。
よく見ると、あいつらも首輪がついとった。要は、アメリカに従うことが花やとな。
もう、気にもせんやろうな。アメリカは長らくコレラっちゅう最強病とか作物の害虫とかで目の
あれは世界に対する挑戦やった。害虫を人気者へひっくり返す力を手に入れたってことなんや。
もう、アメリカは
だから、このハンバーガーも日本人に1000年食わせとき!
ついにはアメリカ人になるわ。ネズミをはさんだところで、アメリカ産って言っておけば、喜々として口に入れるほどにや。
そうすれば、アメリカ人以外にへつらうこともなくなる」
食いかけのハンバーガーからは、だらんとネズミのしっぽが
あのときから
フジタのようにアメリカ人へ頭を下げまくり、手もみ足もみ
そうか。日本人は昔、『犬も歩けば、
ネズミは
美味しいハンバーガー、この味はやみつきで最悪だった。
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