くっころ

 「えーわたくしは、気高気岸田ん長の岸田婦美で、えーございます。」


 我は岸田婦美。一岸田んのトップ。そしてこの国の政治を牛耳っている。今日も今日とて気高気岸の皆さんにどっぷり朝礼をかましている。もちろんこの誰かが作った台本を読みながら。


 「敵襲です!こめぐにが攻めてきました!」

 

 何?そんな事はないはずだ。こめぐにとは友好的な関係のはず。ここは是非穏便に行きたいものだ。


 「そんなもんぶち殺せ!」


 しまった!台本読んでなかったぁー!


 「総理!正気ですか!」


 あわわわ。台本よこせ!チッ!


 「えー様々な...」


 「SOKOWO UGOKUMA! UGOITAYATSU NIWA KATAPPASHI KARA JYUU WO TSUKITUKERU.」


 「うわー!死ね!死ね!パンチ!パンチィ!」


 我はあっという間に、いや言う前に捕まった。


 「I'm ハリトラバイデン。」


 ハリトラバイデンだと!?こいつはまずい。

 まず銃が効かない。どんな銃でも華麗に交わす。仮に当たっても腕を突き上げ相手を挑発するだろう。

 そして超高齢だが、崇高な精神は微塵もない。

耳が聞こえない。名前を間違える。それだけじゃない。彼は良く謎の行動に走る。

 最後に、彼は女性らしさも持ち合わせている。

やはり男女敵なしと言ったところだろう。

 

 彼は我に銃を突きつけた。


 「Mr.岸田ァ。お前 国 俺に 渡せ。」


 そんな事出来るわけないよなぁ。いやでも殺されるかもしれない、よなぁ。


 「くっ殺...」


 我の首は虚空を舞い、綺麗な放物線を描き、血のレインボーが掛かった。


 殺さないでって言おうとしたのになあ...


 僅かな意識の中で岸田は呪力の確信を掴んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短編 hamazen @hamazen

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る