消しカス
「博士、このトレーにあるのは何ですか?」
「それは消しかすじゃよ。わしはそれを動かしたいんじゃ。」
そういうと博士は消しカスになんらかの精子と卵子を垂らし生ゴミを加え、素早くかき混ぜた。
すると次の瞬間、巨大な音と共に研究所は崩れ去った。
「おい博士!ふざけるな!」
「わしはのう、現状に満足しておらん」
消しカスとは言い難い黒い生物は、電柱よりもでかい。
「じゃあのう」
博士はそいつに飲み込まれた、と思ったがどうやらバケモノは彼を取り込んで苦しんでいるように見える。
博士はバケモノの腹から、顔から胸あたりをぬるりと出して言い放つ。
「ようやく夢が叶った。こうやって何かに取り込まれて本望じゃよ。」
そして、博士と謎の生物は灰となって空の彼方に消えていった。
その日は野宿だったが、恐怖で眠れなかった。
次の日目が覚めると、なぜか研究所が元に戻っているではありませんか。
まさか...
「博士!」
「なんじゃ?」
「生きてたんですね!」
「何を言っておる。それよりこのトレーを見てくれ。これは消しカ...」
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