第56話 みんなで中で宴会しに行こう!

「ひる姉ぇ!!」

「ひるねん!!」

「メア、ニャルさん、只今〜」

「もう!心配したにゃ!!」

「おかえりにゃ!!」

「ごめんねー」

「まあ、無事にゃらいいにゃ。それで聞きにゃいけど、にゃんかその、姿変わってにゃい?」

「あーまあ、色々あってね。ニャル様の実験でちょちょいとね」

「「うわぁー」」


 戦場がイベント終了の宴を開いてるなか、久しぶりに?という程、離れてはいなかったが、濃密な時間を過ごした為か、すごく離れていたように感じる2匹と1人。そこの背後から、白、マリー、キャロ、ラビの1匹と3人がそそくさと近くまで来ており、逆から結界を破り捨てた四神のメンバーが猛スピードで迫る。


「メアこの度はわたくしたちの為に、良くぞ!わたくしたちの家族の魂を救ってくれたこと。感謝するのー」

「最後の必殺技!うちも燃えたケー!」

「なーいーすー」

「我たちは君の呼び出しなら答えよう。【お友達の勾玉】を此方に」

「にゃ〜」


 メアが【お友達の勾玉】を翳すと、1匹ずつ額を【お友達の勾玉】に当ててMPを流す。


『【お友達の勾玉】の装備スキル【おいでませ】にお友達が登録されました。

 登録おともだち一覧。

 1.白虎

 2.玄武

 3.朱雀

 4.青龍

 を呼び出し可能です』


「んにゃ。ありがとにゃ、今度にゃにかあったら呼ぶにゃ」

「いつでも呼ぶケー!!」


 白が白虎の姿を見つけ、白虎の胸に飛び込む。


「母様!!」

「ッ?!坊や!!」

「母様、母様の匂い落ち着く」

「すまんな坊や、寂しい思いをさせたな」

「いえお母様!ひるね様やみんなが居たので寂しくはありませんでした」

「そうか、そうか。……あ」

「?」

「猫猫は無事だよ」

「?!猫猫が!本当に??」


 白虎が頷くと狼のように遠吠えを上げる白。よほど嬉しいのだろう。そこに近くでマリーだけが少しバツの悪そうな顔をして立っていた。


「ほら」

「わたくしは元アランガント王女ですの。今はひるねちゃんの眷属をやっておりますの。この度は、わたくしの我が儘が始まりとはいえ、中の方々に多大な迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありません!」


 マリーはひるねにぺしっとお尻を叩かれ、四神の前に出て緊張しながらも謝り、頭を下げた。ひるねも一緒に頭を下げた。


「お母様!マリーは、アランガント王に立ち向かってくれたのです。だからお許し下さい」

「坊や……頭を上げなさい3人とも、我ら四神は彼女の事を許します。いつでも中に遊びに来なさい」

「あ、ありがとうございますの!!」

「よかったね」

「はいですの!」


 嬉しそうに笑うマリーをひるねが頭を撫でてあげる。


「さて、坊や。帰りましょうか。猫猫たちが待ってますよ」

「はい!お母様!」

「メアたちはどうするケー?」

「ニャーたちも一緒に行くにゃ!!メディカルダックの丸焼きとか、香草焼きとか、スープが食べたいにゃ!!」

「ふふ。食いしん坊さんよの〜」

「私たちも宜しいでしょうか?」

「いい?」

「そこの兎人族も君の眷属かい?」

「うん。わたしの眷属のキャロさんとラビちゃん。一緒に連れて行って貰えると助かります。乗り切らなかったら、わたしの深淵の中に入ってもらうので」

「し、深淵ですか」


 少し動揺を見せる四神たち。


「しーんーえーんをー見せてーもらえるー」

「あ。はい」


 影からにゅっと深淵の触手を何本か出して見せる。


「にゃあ!その触手でにゃにする気だにゃ」

「ふっふっふ。ニャルさん貴女を捕まえちゃうよー」

「ぎにゃー!!ニャルは触手だめにゃ!近づけるにゃー!!」


 ひるねvsニャル子の追いかけっこが始まる。あまりにもリアクションが良いからついつい追いかけてしまうひるね。その様子を見守る四神たち。


「誠に深淵だの」

「まあ、坊やを救ってくれた恩人だ、大丈夫だろう」

「中ではあんまりその触手出すなケーちょっと猫さんのそれはSAN値が削れるケー」

「わかりました」


 ひるねは深淵触手を閉まった。


「皆さん乗りましたね!では出発します!!【浮遊】」


 その後、ひるねたちは【中】にて【メディカルダック】の満漢全席を堪能した。

 置いてけぼりをくらったデットやルビアは、【アランガント跡地】で勝利の宴を行ったという。


 それはそうとアウローラは何処へ行ったのやら。時は少し遡る。

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