第43話 大!爆!発!首を添えて
メアが連続殺人事件を繰り広げている裏で、『緊急クエスト:白虎の愛子。獣人の救出戦の参加要請』に参加したデット、ルビア等が【アランガント】の各奴隷商を襲撃し、獣人たちを解放していた。
2人はこの国で1番大きな奴隷商にやって来ていた。
「おら!!」
デットが扉を蹴破る。
「何だテメェらは?」
「悪いけど、今日でこの店は畳んでもらうで!」
「世迷言を!デク!」
「あ、ご主……人?おでに何か?」
「何か?じゃない!敵だ!奴らを殺せ!!殺せば今日の晩御飯はトントンの丸焼きだ!」
「トントン丸焼き!じゅるり……おで、頑張る!」
トントンとは結構どこにでもいる豚型モンスター。寒い地域程肉質が硬くなる。暖かい程地域程柔らかくなる。家畜として良く飼われる。
ルビアがデクと呼ばれた男のデカさに少し後ずさる。デットが前に出る。
「太っちょやろう!お前に恨みはねえが倒させてもらうぜ!【挑発《タウント》】!!」
「おゔらぁ!!」
棍棒を力一杯振り下ろす。
「ふ。その程度か!!そのまま返させて貰うぞ!【
「……?おで、痛くない!!」
「な?!」
デットは目を見開く。【
「は?」
「ゑ?気持ち悪いわー。うち、ゲテモノ系苦手やね。何やのあいつ?ほんまに人間か?」
奴隷商人の男が不敵に笑う。
「人とメルトスライムのキメラだからな!此奴に溶かせねえ物はねえからな!!はっはっは!高いん金を払った甲斐があるってもんよ!」
「これ美味しくない」
「俺の剣がー!!!!」
「デットはん、諦めえや!それよりどうする」
「俺、もう武器なんてこの予備の片手剣しかねえぞ」
「うちなんて、武器の罠全部喰われそうや」
「はっはっは!手詰まりみてぇだなぁ〜デク!喰っておしまい!!」
「ええー女の方が……ウマそうだ」
デクがルビアの方にその巨体でドスンドスンと近づく。ルビアはアイテムBOXから急いでアイテムを取り出す。
「うちかいな?!【撒き散らす】【痺れ撒菱】5ストックや!」
【撒き散らす】種目:アクティブ MP:10
効果:手に持てるアイテムと同じものを任意の数まで同時に撒く事が出来る。最大10個。
クールタイム:30秒
【痺れ撒菱】品質:2
説明:踏むと【麻痺】の状態異常になる。品質×1分で【麻痺】が解除される。1ストック10個。
踏むと【麻痺】の状態異常になる撒菱を急いでばら撒き緊急回避する。
撒菱には気にも止めず、迫るデクが撒菱を踏む。
「あばばばばばば!?」
「「??」」
「デクどうした!!」
踏ん張り帰っていた奴隷商人の男が慌て出す。
「効くやん」
「もしかしら……ルビア、ちょっといいか?」
「なんや?」
「ゴニョゴニョ」
「な?!正気かいな?」
「大丈夫だ」
「もう知らんからな!!【即発注陣】!!【大樽爆弾】2つセットや!!」
【即発注陣】種目:アクティブ MP:1
効果:大商会次元に商品の金額とプラス5%の上乗せの金額を払うと直ぐに商品が届く。
【大樽爆弾】品質:5
説明:爆発させると品質×基礎HP10%分のHPを消し飛ばす。範囲内にいる場合自身にもダメージが発生する。ボスには品質×100のダメージを与える。その為お値段は高い。
「【バックステップ】!行くで!」
「おう!」
デットは頭を持ち上げる。
「【火刀剣】【投擲】!」
「ふん!」
【火刀剣】品質:1耐久:1
効果:刀剣が刺さった場所が少し燃える。炎の火力は品質が高い程強くなる。付与職人が練習で【発火】を付与した商品。元の刀剣の耐久を削る為、何かしたら壊れてしまう。何故か異界人が沢山購入するので、少し困惑しているらしい。
【大樽爆弾】2つが爆発してデットの身体が木っ端微塵と化す。
「は?仲間割れ?」
「おで、やっと麻痺が溶けた?あ?た?ま?」
デットの頭部がコロコロとデクの足元へ。奴隷商人が拾い上げようと近づいた時だった。【バラバラ人間】の効果が発動し、頭部の下から黒いモヤが湧き出し、次の瞬間には裸のデットが片手剣を振り上げた。装備が壊れた事で【裸の勇者】が発動していた。
【裸の勇者】種目:パッシブ
効果:防具をしなければしない程、物理攻撃力と魔法攻撃力が上がる。防具数が1以下の場合、クールタイムが半分になる。
「【
【
効果:残りHPが5%以下の時発動可能アクティブスキル。発動した次の攻撃の威力範囲を10倍にする。
もし攻撃前にHPが回復すると効果が切れる。
その威力はデクと奴隷商人を消した飛ばし、天井にぽっかりと穴を開けた。ルビアは、あまりの威力に開いた口を閉じるのを忘れてしまい、乙女にはあるまじき姿をデットに見られてしまうのだった。
『【人類国家アランガント】の獣人奴隷が全て解放されました。『緊急クエスト:白虎の愛子。獣人の救出戦の参加要請』が進行し、『緊急クエスト:白虎の愛子救出作戦』が開始されました』
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