第23話 表彰式② 這いよる何か……

「ではでは、準優勝アウローラさんこちらへ!!」

「コケー!!」


 アウローラは、翼を上げると元気に壇上に上がる。


「貴女は大森林を炎の海とかし、そして氷の森林へと変えました。貴女には称号:【炎ノ化身】を授与します」

 

称号:【炎ノ化身】

効果:特殊npc閻魔王が貴女を観察しています。貴女に地獄の炎を授けてみましょうか。

特殊装飾:【焦熱地獄の鍵】をプレゼントされました。

特殊装飾:【焦熱地獄の鍵】知力(+666)幸運(-666)

【焦熱門】:装備スキル

効果:鍵を空間に刺すと其処に焦熱地獄の門を開き、相手のカルマ値に応じた地獄の業火が降り掛かる。普通の炎が氷のように冷たく感じる程の熱で身体を焼かれる。善行を積んだ者には、その善行に応じた【氷耐性】を付与する。

死罪に値するnpcには、地獄から鬼がやって来て鉄串に刺し、地獄へと連れて帰り地獄の折檻が罪が精算されるまで行われる。

一度使用すると、現実時間で6日間鍵が使用できなくなる。


この装飾は、奪われず、壊れず、譲渡不可。


「コケー激ヤバスキルケ。でも、また鍵。そして遂にあたしの幸運値が-4ケタコケ……」


 嬉ような悲しいいような。幸運値を見て白目を向いた。


「さ、最後に優勝ひるねさん!メアさん!こちらへ」

「にゃ」

「はーい」


 白目を向くアウローラの横を2匹が通って壇上にあがる。


「貴女は数多の異界人にその残虐性で恐怖を与え、異界人の心に深い傷を与えました。貴女にはこちらの称号:【深淵ヲ宿ス者】ヲじゅ、授与shi……」


 サクナが気絶する。


「にゃ?」

「何ごと?!」

「コケ?!」


 パタパタと後ろの方で倒れる音が聞こえる。後ろを振り返ると人々が倒れていく。

 そして異界人、npcで起き上がっていたのは、アウローラ、メア、ひるねの3匹だけとなった時、パカっと地面が暗くなる。


「にゃ?!」

「あは?!」

「コケー?!これは、ヤバいコケ!」


 光一つ無い闇へと落とされていった。そして現れる顔が黒く塗られた青年?赤い髪女性的に見えるし、子供のようにも、折れた木のようにも見える。本当は何なのか分からない程、認識が出来ない。オタク知識に疎いひるねと。最近産まれたメアにはこの人物が誰か分からない。でも、何故か安心する。が、安心する反面恐怖も感じる。

 そんな中アウローラは、この人物が何なのか分かる。彼の名は


「やあやあ、ようこそ。僕の名はニャルラトホテプ。ニャル様とでも呼んでね」

「外なる神様コケー」

「宜しくお願いします」

「ニャル様?宜しくにゃ」

「ふふふ、鶏さんはその瞳の力で耐えてるみたいだねぇ〜」

「コケ……」

「君はまだ早いかな、ちょっと寝ててね」


 突如現れた触手にアウローラは、ビクッとした後気絶した。そのまま外にぽいっと放り投げられた。


「アーちゃんは大丈夫なんですか?」

「ん?大丈夫、大丈夫。ちょっと気絶してもらっただけだから、半日くらいで起きると思うよ」

「良かったです」

「ニャル様。ニャーたちに何のようにゃ?」

「いや〜何か面白い子がいたから、勧誘かな」

「勧誘?」

「そう。2匹共僕と契約して、眷属になってよ」


 握手を求めるニャルラトホテプ。優しい笑みを浮かべる。何処か胡散臭い。


「眷属になったらいい事はあるのですか?」

「忌まわしき狩人になれば、日光に当たると死んじゃうけど、死んでも何度だって復活させて上げるし、猟犬みたいに敵を追い詰められるよ」


 日光に当たると死ぬ。を聞いた時点で、ニャルラトホテプの眷属にならないのは決定した。


「ニャル様。貴方の眷属になれません」

「にゃん!」

「それはどうしてかな?」

「「日向ぼっこが出来なくなってしまう(にゃ)から!!」」


 ニャルラトホテプがキョトンとする。そして腹を抱えて笑い出す。


「あははは!日向ぼっこって、こんな理由で眷属になるのを断られたのは、初めてだよ。やっぱり君たち面白いわ。今回は諦めるけど、君たちならいつでも歓迎するからね。こっちをあげるかな。はいどおぞ」


『外なる神ニャルラトホテプに好かれました。深淵を移植されました。魔導書【ニャルデ・ウェルミャス・ミステリニャス・ニャクロミコン】をプレゼントされました』


 魔導書【ニャルデ・ウェルミャス・ミステリニャス・ニャクロミコン】MP(+666)深淵(+100)

 ニャルラトホテプに改変されたネクロノミコン。

【裁定審判ver.N】装備スキル

 効果:この魔導書を装備していると、魂に攻撃を与える。その為、物理無効化、魔法無効化を貫通する。彷徨える善なる魂を導き、時には生者に裁きを下し魂を回収する。基本は冥界に送られるが、その魂をニャル様が気にいると冥府には行かず、ニャル様の遊び道具となる。この魔導書は、武器枠の代わりに装飾枠を使用して装備可能。一度装備すると、外す事が出来なくなる。使い続けると……この魔導書は、奪われず、壊れず、譲渡不可。いつでも貴女のそばに這いよる混沌ニャルラトホテプ。


「強いにゃ」

「でも、付けると外せないって」

「ほい」


『魔導書【ニャルデ・ウェルミャス・ミステリニャス・ニャクロミコン】が装備されました』


「あは」

「やりやがったにゃ」

「これで外せないからね〜それじゃあまた今度、貴女に寄り添う這いよる混沌だからね!いつも君たちを見ているよーバイバーイ」


 深淵から放り出される。


「いてて」

「戻って来れたにゃ」

「はあ〜今日は色々ありすぎてもう限界!おやすみzZ」

「にゃ、おやすみ」


 ひるねは眠りにつく。その後、サクナが起き。どうにかこうにかイベントを終わらせたが、途中聖水を飲んだひるねが魂のストックが無く昇天していった。


  第一章 眠り猫ともう1人のわたし閉幕


次回は、現在のステータスや今まで登場したキャラの一覧などです。ストックが無くなって来たので不定期更新になると思います。すみません

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