第101話 属性付与の実験準備
付与師に転職してついに中級付与術スキルをコンプリートした。
属性付与(雷)武器に雷属性を付与する。
属性付与(聖)武器に聖属性を付与する。
属性付与(闇)武器に闇属性を付与する。
そして待望の他へ属性を付与する。だ。
そしてもう一つ解ったのが属性付与というのは金属に属性を持たせるという事。なので炎属性を付与した剣に氷の属性を付与すると剣が物凄く脆くなる。まあ今のところ火と水、炎と氷といった相剋関係にある属性をいきなり付与しなければ問題は起きないので、メインとサブの武器を用意するだけで問題は解決しそうではある。
さてこの付与術だが、スキルを行使すると対象物に魔法陣を描くという特性がある。
魔法陣を描く。その魔法陣に魔力を通す。対象物に属性を付与するという順番だ。
ただ、「他へ属性を付与する」を覚えるまでこの属性付与は術の行使者の手の中でしか行使されない。しかも手を離すと効力を失うという特性があった。
これが他へ属性を付与するを覚えると対象物に対し魔法陣を描くことが出来るようになる。この魔法陣は転写出来るようで、この魔法陣と魔力があれば属性付与が出来るようになるようだ。
ただし使うインクによって使用回数が決まっている。これは彫刻であっても変わらない。彫刻されたものでもいずれは消耗して消えるようだ。
まぁそうでなければ付与機なんてものが商品として流通する訳がないよね。最初に売れたものが最初で最後なら付与師はそんなものを売ったりしないだろう・・・
「他へ属性を付与する」を取得したので職業を付与師から彫金師に変更する。
初期スキルは彫刻。今回は上級ダンジョンである呉大和ミュージアムダンジョンに潜っている。
「はい。今日は呉大和ミュージアムダンジョンに来ています」
『おや珍しい。土曜日に配信とか』
『今日は異世界に行かないの?』
何故バレてるし・・・
「いやぁ~付与師スキル中級まで習得したから、有効に使うため彫金師に転職したんだ」
『Qドラ権割と器用貧乏よね』
『盗賊、薬師、テイマーに加えて付与師に彫金師か』
「と、盗賊はこれ以上育てないし彫金師も初期スキルの彫刻で充分だし」
『そこんとこ詳しく』
「え?あぁ~付与師の「他へ属性を付与する」というスキルがね。彫金の彫刻があればいいっぽいの」
『付与師の「他へ属性を付与する」って・・・』
「あぁ~他人の武器に属性付与が出来るようになった」
『ガタタッ!』
『幾ら出せば付与してもらえる?』
え?付与して欲しいの?
「う~ん。付与と言っても回数制限があるんだよね。マジックだと5回ほど魔力を通すと消えちゃうんだ」
レベルを上げると回数増えるんだろうけど・・・
『5回か・・・10万なら出せるな』
リスナーさんから具体的な数字が出る。10万かぁ・・・中級レベルダンジョンなら6人パーティーで最奥まで潜れればドロップ品だけで十分稼げる額だ。
「彫金で魔法陣刻めば1カ月は持つと思うんですよね」
カラス天狗たちが使うクナイにマジックで火属性を付与しながら答える。
『付与術って魔法陣を書くんだ』
リスナーさんの一人が聞いてくる。
「魔法陣というより呪いの模様。呪紋ですね」
彫金のスキルがあれば金属に正確に刻むことで長持ちするハズ。
『それで彫金かぁ』
「そうです。まぁこちらに彫金師という職業はありませんし」
『あぁ~彫金師っていうのも異世界スキルなのね』
リスナーが指摘する。
『スキルだと面倒くさい修行とかしなくてもいいのかぁ』
「便利と言えば便利ですよね」
『芸術とは・・・』
まぁそう思うよね。こちらだと機械の領分だし。
「カイヤ」
「ぴいっ」
自分の影からカイヤが姿を表す。
「実験だから気兼ねなくね」
「ぴいっ」
カイヤに火属性付与したクナイを10本渡す。さあサクサクいこうか!
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