第47話 攻略組へのお誘い
紅桃の襲撃から半日。間もなく日暮れを迎えるころ小学校砦が陥落。砦っぽい外見から普通の小学校っぽい外見に変化した。
取りあえず最終拠点を確保したので、港に戻って港の物資の移送準備に取りかかる。
「お疲れ~なんか職員を探しているんだって?」
ギルド職員さんが声を掛けてくる。港で補給物資の仕分けをしていた人だ。
「あ、お手数を掛けて申し訳ありません。モンスターをテイムしたのでその申請をお願いしたくて・・・」
「あぁ、いいですよ」
「じゃあ新しいモンスターを紹介しますね。紅桃」
紅桃を呼ぶと、ギルド職員の顔が驚きに固まる。
「お、オーガプリンセスとは、これまたかなりのレア種をゲットしましたね」
なんとか再起動して職員さんは持っていたタブレットを操作し始め、最後にパシャリと紅桃の写真を撮る。
「はい。登録完了しました。目印は後日ギルドに申請してください」
そう言って一枚の紙に何やら書き込み手渡してくれる。紅桃のテイムモンスターとしての登録ID番号だ。
早速スマホで開拓者ギルドのサイトにアクセスし、自分のサイトを見る。テイムモンスター一覧に紅桃の登録がされていること、登録されたIDの確認をする。
さて、モンスターテイムのレベルだが、あっさりと10になった。それどころか中級テイマースキルであるモンスターテイム(中)も直ぐに生えた。
恐らく格上の紅桃をテイムして維持した結果だと思う。なおモンスターテイム(中)はテイムして保有できるモンスターの数が一気に倍に増えた。
ニパーティ分のモンスターを配下に出来るのは大きい。今度、地形に特化したモンスターをテイムしにいこう。
「我が主」
いまの紅桃は、額に鉢金。黒い革のコートを羽織っていた。モンスターとはいえ虎柄ビキニという半裸姿は流石に拙いと判断したから、補給物資から汎用の武器と防具を貰ってくるように指示した結果だ。
「武器は?」
「一応・・・」
紅桃は、コートのポケットからメリケンサックを取り出す。握り込むと突起物が出るちょこっと物騒なタイプである。
「ダンジョンから帰ったらいろいろ買いに行かないとダメかなぁ・・・」
ふぅ・・・とため息をつく。出来れば今回のギルド主催のレイドで金を掛けることなく色々と装備させたかったのだが、いかんせん体格がね・・・
補給物資を詰め込めるだけ積み込み、港と小学校を往復すること3回。何度か野良ゴブリンの襲撃があるものの紅桃が仲間になったいまは簡単に撃退することが出来た。
「攻略組に参加しないかですか?」
ギルド職員さんから攻略組に参加しないか?という打診を受けた。
どうやら小学校砦の攻略でそこそこの数の開拓者が脱落したらしい。
今は臨時パーティとして再編成するためのオリエンテーションを行っているらしい。
「いいんですか?」
「補給物資は最前線まで運び終えたし、パーティ半壊で守備に回ったところもあるからね」
ギルド職員さんは説明する。まあオーガプリンセスがいるだけで戦闘力は段違いに高いからね。
「ギルドが問題ないと言うのなら・・・」
「では、攻略組として再登録させて頂きます」
ギルド職員さんはニコニコ顔で去っていった。
『分かりやすい』
『まあ、こういう事態を想定してテイマーにも声を掛けてたんだろうし』
『ドラ権だけで攻略パーティが組めるとか思っても見なかっただろうけど』
『まあ怪我の巧妙よね』
『それを言うなら瓢箪から駒やろ?』
「スペースの中の補給物資はどうすればいいんだろう?」
保存食や数打ちの武器・防具がスペース内のコンテナに相当数残っているのに今更ながらに気がつく。
『余剰物資だからそのまま仕舞っておいてもいいんじゃあない?』
「う~ん聞くだけ聞いておこうか。ついでに攻略組の皆さんに挨拶にいくか・・・テイムしたモンスターの顔見せも併せて・・・」
疾風、チビ、ペンタントちゃん、紅桃を従えて小学校に向かうことにした。
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