禁じられた森の守護者

試練の時

第10話 呪いの発覚:

森の深さに包まれた朝、エリオットはアレンからの急な呼び出しを受けて、いつもの待ち合わせ場所へと急いだ。彼の胸は不安でいっぱいだった。アレンからのメッセージはいつもと異なり、何か重大なことが起こっていることを示唆していた。

エリオットが到着すると、アレンは既にそこにいた。エルフの表情は深刻で、その瞳には憂いが宿っていた。二人の間に言葉は交わされなかった。アレンはただ、エリオットに森の奥へと歩き出すように身振りで示した。

彼らが進むにつれて、森の異変が明らかになった。かつて生き生きとしていた木々は枯れ始め、地面は荒れ果て、森の生き物たちの姿も見えなかった。森全体が、ある種の病に侵されているかのようだった。

「これは…何が起こっているんだ？」エリオットが声を上げた。

アレンは一時停止し、エリオットの目を真直ぐに見つめた。「森が、呪いに蝕まれている。」彼の声には重みがあり、その言葉はエリオットの心に深く響いた。

「呪い？でも、なぜ？どうしてこんなことが…」エリオットの質問は、森の奥深くから感じる哀しみに呑み込まれた。

アレンは再び歩き始め、エリオットを森のある特定の場所へと導いた。そこには古い石碑があり、不自然な黒い蔦がその周囲を覆っていた。アレンは石碑の前に立ち、深く息を吸い込んだ。

「この呪いは、過去に起きた大きな戦いの結果だ。古のエルフと人間が共闘した戦い…その際に使われた禁断の魔法が、今になって森を蝕み始めているのだ。」

エリオットは言葉を失った。彼らの愛する森が、過去の過ちによって今苦しんでいるとは。

「しかし、私たちにはまだ希望がある。呪いを解く方法が、必ずどこかに…」アレンの言葉は決意に満ちていた。

その瞬間から、エリオットとアレンの新たな旅が始まった。彼らは森を救うため、そして森と共に生きる全ての生命を守るため、呪いの謎を解き明かす冒険に乗り出すのだった。