第32話 さらに鑑定
ちょっと驚きのアイテムがでてきたことで、続きの鑑定が消化試合みたいになってしまったけど鑑定は続いた。
「【SR】マジックアイテムは攻撃スキルが付いてるロザリオね」
「ロザリオに攻撃スキルが付いてるって無茶苦茶だな」
「確かに解呪や祝福とかの方がピンとくるけど、メルティライナーはランダム性が強いから、たまにこういうイメージ差異なアイテムを生成してくるのよね」
「それでそのロザリオはどんな性能なんだ」
「【灼熱の連球】って火炎属性の攻撃スキルが付いてるだけだけど、このスキル、凄く強いかも」
「ほほう」
「威力だけで言っても火属性の上級魔法に匹敵するうえに、リキャストタイムが短いのが強すぎ」
「連射できるスキルってことか!?」
「二秒に一度だから連射ってほどじゃないけど、絶え間なく打てるから十分、驚異的な火力がだせるわね。まあ、魔法と一緒でMPを消費するから無限に打てるわけじゃないけど」
「MPを消費するんなら、やっぱ理央に装備させるか」
「いえ、このスキルは火属性だから、火炎特化の碧に装備させた方が面白いかも」
「えっ、俺が使うのか? 俺、魔力低いからMP少ないと思うぞ」
「確かに元の魔力は低いけど、装備のステータスアップで底上げされてるから、十分使用できるくらいのキャパありそうだよ」
「そうなのか?」
「うん、火属性攻撃アップが有用だし、剣と魔法を使い分ければ、かなり強くなると思うんだよね」
「わかった、それじゃ、使わせてもらうよ」
碧は物理防御の高い敵に有用な攻撃方法がなかっただけに、攻撃スキルの取得は、戦術の幅を広げるものになりそうだ。
【RRR】マジックアイテムは、使い捨ての便利アイテムだった。【絶対零度の結晶】というアイテムで、氷結レベル550という凄まじい威力の凍結効果をばら撒く効果を持っていた。かなりのレベルの敵にも効果があるようだけど、使えるのは一回きり、使いどころは難しいように思える。ここは土壇場での判断力のある朝陽が持つことになった。
【RR】マジックアイテムも使い捨てアイテムだった。こちらは落雷石という攻撃アイテムで、10個入りセット、効果は上級雷属性攻撃を一体に与えて、ショック効果が同時に付与できるそこそこ使えそうなアイテムだ。こちらはケンタワンドのクールタイム中、何もできなくなる僕が持つことになった。これでクールタイム中もやることができて嬉しい。
【SR】ルーンストーンは毒強化だったので、迷わず恵麻の装備へと付与されることが決まった。これでさらに猛毒ダメージが強化される。
【RRR】ポーションは即効付きの回復ポーションだった。これは回復スピードが早く、危険な状況でも即回復が見込める便利なポーションだった。
さらにレジェンダリーチェストから入手した二種の鍵も鑑定したのだけど、結果、やはり詳細はわからなかった。恵麻の鑑識眼でもわからないくらいだから、よほどのレベルのシークレットアイテムのようだった。
「わからねえ鍵なんて気になるな」
「たぶんだけど、情報公開にレベル制限があるのかもしれない。レベルを上げて鑑定すればもしかしたら何かの情報が見えるようになるかも」
「そんなことがあるのか?」
「感覚でそう感じるというか、鑑識眼の能力のおかげかなんとなくそういうのがわかる時があるの」
「まあ、そういうことならしばらくは放置だな」
鍵は僕も気になっていたけど、今の段階では何もわからないみたいだ。でも、それだけ難しい物であれば、よほどの報酬が貰えるのかもと期待してしまう。
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