ファンキー・モンキー・一休さん!!~新右衛門さんの受難~(仮)
生虎
第1話
名前はまだ無い。
どうしてこうなったかとんと見当つかぬ・・・
何でも気が付けばギャーギャーと泣いていたことだけは記憶している。
某はここで初めてこの時代の人間を見た。
しかも後で聞くとそれは武士と言う人間の中でも一番獰猛な種族であったそうだ。
この武士というのは時々人々を斬り付けて首を持ち帰るという話である。
しかしその時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただ彼の抱き上げられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。
抱き上げられて少し落ちついて武士の顔を見たのがいわゆる武士というものの見始みはじめであろう。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
第一丁髷で清潔に保たれるはずの顔が髭面してまるで山賊だ。
この時代に来たことで自分が大昔の日本の何処かに転生したことをこの時自覚した。
これは20年ほど前の記憶だ。
元服した某は自分の名を知り、使える主人の名を知り、この時代が室町時代の最盛期ともいえる
我が家は室町幕府の
そして、自分があの
新右衛門と言えば?そう!一休さん!!
そう考えると会ってみたくなった。
これが某の受難の始まりであった。
(※実際には一休宗純と蜷川新右衛門は晩年に交流を持ちますが物語の関係上若い内に興味本位で新右衛門が一休を見に行き知り合ったこととして二人とも京在住と致します。その点を踏まえお読み頂きたく存じます。)
某は前世ではどうやら可成りの歴史好きで歴史に詳しい者であったようだ。
自分の名前や家族などの個人的な情報は全くと言って良いほど覚えていないのに歴史の事は可成り詳しく覚えている。
これで助かったことは1度や2度ではない。
上様(足利義満)からもお褒め頂くことしばしばで実に役立っておる。
この幸運に恵まれた某は興味本位で今日、一休さんを見に来た。
今はまだ
山城国にある
寺内に入ると坊主が鼻歌を歌いながら掃除をしている。
あ~この曲は・・・前世で聞いたような?
オープニングの伴奏の鼻歌が終わると歌詞を口ずさみ始める。
「どれだけがんばりゃい~♪」
この曲は何となく覚えてはおるが思い出せぬ。
二人組のグループの歌でその時代では大ヒットした曲で某も好きでよく聞いたものだが・・・もしやすると転生したことで記憶が曖昧なのかもしれぬ。
「夢じゃないあれもこれも~♪」
考えておるとサビの部分に突入した。
思い出せそうで思い出せぬ・・・英語の名前だったような・・・
「そして羽ばたく、ウルトラソ〇ル!!」
「「Hey(Hi)!!」」
気が付くと拳を高く上げ某は「Hi!!」と叫んでいた。
その坊主が振り向き此方に文句を言って来る。
「おい、そこの武士!」
「な、何で御座る?」
「最後は「Hey!!」だろうが!!」
「いや、「Hi!!」で間違いないで御座る!!」
「おい!俺っちに喧嘩売る気か?」
何であろうかこの坊主・・・前世の歌を知っているという事は、彼も転生者なのだろうか?
曲の最後のセリフなどどうでもいい、先ずは転生者かどうかの確認が必要だ。
「そんなことより」
「はぁ~?そんあこと?・・・おめえ!舐めてんのか!!」
前世で見たガラの悪い人間の様なメンチを切って来る。
とても僧侶とは思えない態度である。
「そ、それはスマヌで御座る・・・」
「おう!解ればいいんだよ~解れば!」
そう言うとまた最初から曲を歌い始める。
「そして羽ばたく、ウ〇トラソウル!!」
「「Hey(Hi)!!」」
「「・・・」」
何となく聴いていてまた体が反応してしまった・・・
「おい!そこのお前!!」
「何で御座る・・・」
「さっきも言ったよな?」
「何をで御座る?」
「最後は「Hey!!」だろうが!!」
「いや、「Hi!!」で間違いないで御座る!!」
「おい!俺っちに喧嘩売る気か?」
これが将来の一休宗純その人との邂逅の瞬間であった。
〇~~~~~~〇
冒頭は夏目漱石の「吾輩は猫である」をモジってます。
気が付いた方いるかな?
私が初めて読んだ文学作品で猫好きだったので猫の話と思って速攻で読み始めた様な・・・
曲はB'zの「ウルトラソウル」です。
最後の掛け声は論争の1つですね~
皆さまは何方派?「Hi(ハイ)」なのか「Hey(ヘイ)」なのか!!
くだらないと思う事無かれ!!
人間は些細な事で争いが起ります。
キノコかタケノコかでも敵対できます!!
歌詞カードには「Hi(ハイ)」と書かれているそうな・・・
しかし、聞くと「Hey(ヘイ)」と聞こえるからそちらが正しいのだと言い張る者も多い!!
作者は「Hey(ヘイ)」派です。
掛け声としてノリがいいから~
取り合えず1話UPしてみました!!
続きはその内書くかも?続きは本当に不定期です!!
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