血の記憶
森林木 桜樹
1「誕生日」
二月七日、十六歳になった。
ベッドから起き上がり、カーテンを開けて、まだ優しい光の朝日を浴びる。
ベッドには、ちょっとした物なら置けるスペースがあり、そこにあるスマートフォンが光と音を発していた。
スマートフォンを取り、光と音を止める。
「今日も、スマートフォンの目覚まし機能よりも早く起きられたな。」
ベッドは、色々な機能を持っていて、下には引き出しがあり、枕元には先程スマートフォンが置けるスペース、上には服を掛けて置けるスペースもある、システムベッドを使用している。
その為、部屋は場所を取らず、狭い部屋でも広く感じられる。
だが、部屋は中央に置かれた大きな木造の机によって、十畳ある部屋が狭い。
机の上には、紙を切る機械や、刷毛等が丁寧に整理整頓されてある。
壁一面には、棚があり、色々な紙が収納され、ベッドの横には机と、机の上には外付けハードディスク三台と自作パソコン、そのパソコンと接続されてあるモニター、赤外線マウス、閉じられた小型のノートパソコン、USBメモリーが一つ置いてあった。
机の横には、プリンターがあったが、普段の家庭に置かれているプリンターよりも大きかった。
部屋は、上から見て入口を下に書くと、下は入口と棚。
右は、ベッドと机。
上は、正面に天井から床までの窓があり、ベランダもある。
左はただの壁だ。
そして中央には、大きな木製の机がある。
そんな配置をした部屋から、上下黒色とシャツ白色、ネクタイなしの制服に着替えて、机からUSBメモリーを一つ持ち制服のポケットに入れ、学校行ける準備が完了している手提げカバンと茶色のコートと手袋を持って出た。
居間へ行くと、両親がいた。
居間の入口付近に手提げカバンと茶色のコートと手袋を置き、あいさつをして、手を洗い、自分が普段座っている椅子に腰を掛けると、いつも通りに食べる前のあいさつをして、朝食を身体に入れる。
いつもの風景だが違ったのは、両親が祝いの言葉をくれたことだ。
ここまで成長して出来たのは、両親がいてくれたおかげである。
その気持ちも含めてお礼を言って、学校へ行く。
学校に行くと、親友が誕生を祝う言葉とプレゼントをくれた。
それを訊いた周りも、連鎖的に祝いの言葉をくれて、今できるプレゼントをくれた。
担任も誕生日だと知っていて、全授業、集中的に優先的に扱われたのは、とても辛かったが、この学校の教師は、受け持った生徒の誕生日は記憶しているのは、とてもすばらしい。
今日は、とても嬉しい日になったと思い、帰り道。
家と学校の間に、唯一ある押しボタン式横断歩道に来ていた。
プレゼントと手提げカバンで両手が塞がっていたから、押しボタンを押すのが辛かった。
一度、プレゼントか、手提げカバンを置かないといけない。
こんな時、リュックや肩掛けカバンにして置けば良かったと思うのだが、肩に負担がかかる持ち物は持ちたくなかった。
仕方なく、地面に一度置こうとした時、通りかかった人が押してくれた。
お礼を言う為に、その人を見た。
瞬間。
頭痛とめまいを起こし、急に、その場で倒れてしまった。
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