安楽死サービス始めました。

水妃

第1話  安楽死サービス始めました。

20XX年 X月 


いらっしゃいませ。

安楽死サービスのご利用でしょうか。


念の為の確認でございますが、

延命や介護などの医療サービスの必要は無いということで

よろしいでしょうか。


金額は、

施設使用料として500円だけ負担がございますが、

よろしいでしょうか。


ご遺体は、散骨、集合墓地などございますが、

何かご希望はございますでしょうか。


地球上の皆様の為に、

臓器提供は可能でしょうか。


また、安楽死サービスは

予約制となっております。


いつ安楽死されたいなど

ご予定はございますでしょうか。


最短ですと、

明後日になります。


もちろん、

痛みや苦しみなどは無く、

ゆっくりと安らかに死を迎えることが出来ますので、

安心してお亡くなり下さいませ。


我々のスタッフが、

最期まできちんと死のサポートをさせて頂きます。




そして……


当日となった。




それではこちらのベッドに寝て、

こちらのマスクを装着下さい。


その後

安楽死薬が出て参りますので、

普通に呼吸頂くだけで大丈夫です。


苦しまず、即、安楽死出来ます。


それでは、

今まで本当にお疲れ様でした。


ごゆっくりお亡くなり下さいませ。



追伸


この安楽死サービスが出来てから、

人身事故などの自殺が無くなった。


このサービスはAIロボが全て行う為、

サービス提供側のスタッフの精神的ストレスなども無い。


そして、

今までは、治療や介護で延命系しかなかった選択肢も

安楽死という、死に方を選べるようになり、

人々の選択の幅が広がった。


どうしても治らない病気や、

加齢でどうしようもない生き辛い毎日の症状、

努力ではどうにもならず、

どんなに頑張っても仕事が出来ない人、

スポーツや音楽などでも才能が無い人、

容姿、身分含め、

この世は無理ゲーと感じた人、

様々な事情の人々がこの安楽死サービスを利用して

満足に死ぬことが出来ている。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

安楽死サービス始めました。 水妃 @mizuki999

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画