いつか、君を殺すメリーバッドエンド

@awaoka

第1話 エンドロール

 机の上の四つ折りの遺書、灰皿、最後に目の前に垂れ下がった縄に視線を移した。首をくぐらせる。


「…ごめん」


 その言葉は誰に届くわけもなく、ただ床へと落ちて行った。

 それと同時に乗っていた椅子を後ろに蹴る。

 ガタンと大きな音が耳に響いて首が締め上げられる。

 首を吊って意識を失うまでは7秒。

 光の線となって俺を包むものがあった。

 それは、記憶だった俺が生まれ生きた記憶。

 物心がついたときから小学生、中学生、高校生と記憶が光の線となって俺の脳髄をくすぐっていく。

 もう5秒はたっただろうか、この先は見てはいけないとわかっていながら記憶の本流に押し流されていく。

【灰髪の少女の記憶】彼女は笑っていた、悲しんでいた、泣いていた。


(あぁくそっ)


 俺は、どうしょうもない矛盾を抱えて残りの2秒が過ぎていった。

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