【裏側の世界】雨期'

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第1話「太陽と月のフォルテッシモ1」

ーー最初に比べて仕事の手紙が増えた…。

でも、数だけ増えてもな。 

量より質。

ーーうぅん?

ギャルソォルは、わかるけど。

…?

 ブロンジェって何?

「俺、俺!ブロンジェ!!」

ーーソレイュが嬉しそうに自分を指差す。

はぁ。

また、こいつを連れて行く事になりそう…。

「ェトヮンティの所で昼と夜の食事会かぁ。面白いそ〜!

モア!この仕事受けようぜ!」

ーーこいつでいいのか?

うぅん…仕事をよこすって事は、ソレイュの料理の腕には期待はしてると思うけど…。

「なぁモア、おねがぁ〜い!!」

 受けてもいいけど、絶対・秘密・厳守!わかった?…ジュリァン、間違えるな!

「ウィ!ジュリァン!」 

 禡は乗れる?

「ウィ!ジュリァン!!」

ーーあれからソレイュは、何かを練習してるようでうるさい。

「見ててくれよ!」

ーーオランジェのソースで、盛り付けしたクレープが出てきた…。 

「さぁ…味見してくれ!」

ーー味、聞かれてもなぁ…。

 あぁ。 

「どうだ?」 

 自分ではどう?ほら。

「ぇ、ぁっぇえ…んん…?!香りが足りないような…あっ!

また味見頼むかも!」

ーーもう頼まないで欲しい。


「モア、味見てくれよ!」

ーーまたきたよ…もうきて欲しくなかった。

ぴり

ぴり?

何?今の違和感。

「なぁ、どうだ?酸っぱ過ぎねぇ?」

 酸っぱ過ぎると、どうなる?     

「苦手な人は苦手だし。口に傷がある人は沁みたりするな〜!」

 …じゃあ、少し酸っぱいかもな?

「やっぱり酸っぱ過ぎたかぁ〜!?もう1度挑戦だぁ〜!」

ーー勝手に頑張れ。


「では、ご注目!」

ぼぉお

「キュリェを注ぐとオランジェの皮伝いに炎が…香りをお楽しみ下さい。」

「「「おぉぉぉおお!!」」」

「「「「わぁぁああ!!」」」」

「ほぉ!見事ですなぁ!」

「すごぉい!」

「美しいわぁぁあ!」

「なんて、いい香りなのぉ!!」

「もう、既に美味しいわ!」

 クレ・エリィザです。

「まぁ!盛り付けもなんて美しいの?!」

「まるで、ァアティシアのよう!」

ーーこの女、隣の男と指を絡ませ会ってる。

浮気確定。

ソレイュに眼で合図した。

 どうぞ。

「綺麗!それにいい香りだわァ!」

ちぃぃら

ーーうざい。

この女、眼で合図してきた。

誘ってる?

 シャンピィニをどうぞ。

「まぁ、ありがとう!」

!!

ーーうざい。

すっと腕を撫でられた。

「ねぇ、ちょっと水をいただける?」

 はい。

ーーうざい。

そっと太腿を撫でられた。

欲張りな女…。

「…後であたくしの部屋に来て。」

ーーうざい。

すれ違って部屋を出る時にこそっと言われた。

欲張ったら、どうなるか思い知るがいい。

絶望を味わえ。

 『後でグレィス様の部屋までお越し下さい。』

ーー密会相手に囁く。

さぁ、どうなるかな。

>>がちゃ

>>どたん

「さぁ!脱がして!」

ーーぃや、1人で盛り上がられても…。

「早く触ってぇ!!」

ーーだから、盛り上がられても…。 

「ねぇ、舐めてぇ?」

ーーあぁ、面倒くさい…。


「ァぁんっいいわぁ…ァぁ!んっ…。

んぅ…んふふふっ!貴方、口づけも上手なのねぇ…。ね?わたくしもう、我慢できない!!貴方もでしょ?ほら?

わたくしのココもうコンナなのよ!ァアッ!ァアッん!いいわっ…そのまま触ってて!

あっあぁ!あっあっあっんぅっんふぅ…!

キャハハ!さぁ、こっちへ…。早くっっ貴方が欲しいのッ!」

>>がちゃ

「なっ!何してるんだ!お前!!」

「ッヤ、ヤダ!貴方が何故来るの?!」

 私がお誘いしたんですけど、まさか本当に来られるとは…。

ーーやっと面白くなってきた。

「なんですって!!」

 このまま3人で、と言うのも面白いですし…。どうしますか?

ーー己れの欲深さを思い知るがいい。

言葉を発する事の出来ない2人に追い討ちをかける。

 ああ、まさか本当に来られるとは。これはなんて事だ!

あなた達の関係は、問題になりますよ。家も財産も何もかも失いますね…。

私は、ただその美しい人に誘・惑されてしまった。だ・けなので、失礼します。

ーー嘘。

その先はここではどうなのかな⁇

ここまで言えば、この2人はどうするんだろう。

お互いの相手との話で結果は変わる。

穏便に済むか、死刑か。

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