俺の友人になった
パリトン
第1話 俺の友人になった
ただ消費する毎日
ため息を吐きながら、本日最後の作業であるタバコの吸い殻を捨てる。
「何やってるんだろうな、俺」
そう。いつもの口癖を青年、
今日もいつものように酔った客、罵倒してくるバイトのJKからの攻撃に耐えた。
コンビニのアルバイトを始めてからもう2年。バイトを始めてから休みは多い筈なのにひどく疲れる。
「24の時に会社を辞めたから...今は26か」
青年は、指をおりながら年齢を数える。時の流れは歳を取る毎に早くなるな。
作業を終えるとバックヤードに入り、制服を脱ぐ。ここ最近は、色々あったので特に疲れてる。
青年は、ロッカー近くにある椅子に腰をゆっくりと下ろす。瞬間、急な睡魔に襲われ気を失った。
◇
目を覚ますと見慣れた我がマイホームでは無く。男子高校生がいかにも住んでいそうな一室のベッドに横たわっていた。
「あれ?確かバイト先の椅子に座って寝たよな?」
上体を起こし、部屋を見渡すが、知らない場所。
枕元には、自分の物では無いスマートフォンが充電器に繋がれた状態て置かれていた。
恐る恐るスマートフォンを確認すると、8月3日の13時。昨日バイトが終わったのが8月2日の22時だったので15時間寝ている。
昨日バイト先でぶっ倒れてしまったのだろうか。ならここは、店長の家とかか?それにしては、俺の荷物が見当たらない。
再度辺りを見渡すと、カレンダーに違和感を感じる。
「...2014年!?」
思わず声に出す。
俺のいた西暦2024年の10年前?何でこんな古いカレンダー貼ってんだ?...待てよこれって。
よくある話だ。これは、もしかしてタイムリープってやつか?何か身体も軽い気がする。
タイムリープもののアニメを見る度によくもし過去の自分になったらという妄想を。
そんな期待に夢を膨らませ、枕元にあるスマホのカメラをインカメにし、ゆっくりと自分の姿を確認する。
すると、黒髪短髪の高校生位であろう前髪の長い青年が画面の中にいた。
しかし、その青年は自分では無い。
...ちょっと待て。冗談だろ?
見間違いと思い、カメラアプリを再起動し再度自分を写すが目を疑った。過去でも現代でも未来の自分でも無い。
知らない男に俺はなっていた。
夢か?どういう事だ?
頬を引っ張ったり、顔を叩いたりしたが目は覚めない。
悪夢だったら覚めてくれ。
状況が飲み込めずパニックになる。だか、何かこの顔に見覚えがある。
誰だ。誰だ?
必死に自分の少ない記憶領域にアクセスする。バイト仲間から常連、大学のゼミ仲間と新しい記憶の順に検索をかけていく。
すると、1人の人物にヒットする。
...コイツは、高校2年の時同じクラスだった
俺は、10年前にタイムリープし高校時代の友人、松田翔太になっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。