神様なんて大嫌いと少女たちは叫ぶ ~山元桜の愛と友情その2と2分の1~
ダイ大佐 / 人類解放救済戦線創立者
第1話:憧れの下着
「これが真理愛の――」私立澄川女学院中等部三年の山元桜はごくりとつばを飲み込んだ。桜の手には白一色の上下セットの下着が握られていた。ショーツの方に赤い染みが付いている。真理愛――桜の想い人の経血が漏れて付いたのだ。
桜はショーツを顔の前に持ってきてすんすんと匂いを嗅ぐ。
「真理愛の匂いがする――」興奮を掻き立てる為にわざと言葉にしてみた――脳を揺さぶられる様なショックに桜は卒倒しそうになった。思わず空いた左手で胸を揉みしだいてしまう。
下着からは血と発酵したミルクの様な匂いが微かにした。
同室の梓はしばらく帰ってこない。桜は丁寧に下着を畳むと自分の
服を脱いで全裸になる。
タブレットで
「真理愛のブラ――」愛しの女のブラジャーを身に着ける。小柄な真理愛の下着はBカップの桜の身体を締め付ける。まるで真理愛に抱かれてるみたい――倒錯した思いに思わず女の蜜が漏れた。胸の尖った部分を布地がこする。
「あふ」桜は鼻が抜けた様な声を漏らしてしまった。
心ゆくまでその感触を味わった桜は、次いで腰を浮かせると本命の真理愛のショーツに足を通した。少しずつ引き上げる。真理愛の経血が付いたそれ――真理愛の秘所と自分の秘所が触れるところを想像して更に蜜を吹きこぼす。
「真理愛のあれの血……」こくんと喉を鳴らすと桜は一気にショーツを引き上げた。布が触れる感触に全身に電気が走った。桜は身を震わせながら指でショーツの血のシミと自分の秘所を触れ合わせる。
我慢しかねた桜はショーツの布地を秘所に食い込ませて布の上から指で乱暴にかき混ぜる。動画には丁度下半身を合わせて喘ぐ女性二人が映っていた。普段は指を濡らしてから始めるのだがそうしなくても良いほど秘所は濡れていた。
「真理愛、真理愛、マリア――」喘ぎ声が外に聞こえない様にシーツを噛みながら真理愛の布に自分の蜜を染み込ませる。さっき達したばかりなのにもう快感が当たり前であるかの様にこみ上げ戻ってくる。 真理愛が上擦った声で胸と秘所を攻めてくる。桜にはそれが感じられた。
必死に指で一番感じる秘芽と身体の内側に食い込む部分をなぞる。
「や、あ。真理愛ぁ!」高みから奈落の底へ突き落された。断続的に訪れる快感に溺れた桜はそのまま布団へと突っ伏した。そのまま闇の底へと桜の意識は沈んだ。
* * *
気付いた時には陽が傾いていた。
動画サイトは次々にお勧めの動画を流している。桜は半分眠った意識の中で自分が何をしていたのかを思い出す。
「寒――」布団も被らず裸で寝ていた桜は服を着ようとする。その時、足元に人がいるのに気付いた。
「梓!!――何でここに!?」
「何でも何も、ここは私の部屋でもあるんだけど」
桜は動転して裸のまま固まってしまう。
梓は表情の読めない能面の様な笑みを浮かべて桜を眺めていた。
「真理愛には黙ってて――」桜は必死に訴える。
「中等部の聖母様の下着なの、それ?」
桜は言わなくていい事を言ってしまった事に気が付く。真理愛の下着を着たままだった事を今更思い出した。
梓は品定めする様に桜を見る。
「止めて」桜は幾分上擦った声で梓を睨んだ。梓の目はまるで女を視姦する男の様だ。同性な分だけたちが悪かった。
「黙ってても良いけど」梓は怪しげな笑みを浮かべたまま言葉を継いだ。
「私も気持ちよくしてよ」
「はあ?」桜は信じられないという表情を浮かべた。
「それとも気持ちよくされたい? 私はそれでも良いけど」
夕日の中、幼馴染の顔が一層笑みを深くする。桜はどうしていいか分からずただその目を見ていた。梓は自分の寝台に腰かけると桜を招く。
「こっちに来て」
桜は行くしかなかった。下着を脱がなくちゃと思ったが、梓は気にしていない様に見える。
「何をして欲しいの?」精一杯の虚勢を込めて桜は聞く。
「脱がせてよ」梓は組んだ右脚を上げて桜を見た。桜は梓のソックスを脱がせる。
「舐めて」桜は梓の親指に舌を這わせる。梓が鼻にかかった声を漏らした。
その時扉をノックする音がした。桜はビクンと身を震わせ、梓は不満気に息をつく。立ち上がると扉の前に行った。桜は扉が開けられませんようにと必死に神に祈った。
どうやらノックの相手は梓に来客があったと言ったらしい。梓はすぐに行くと返事を返すと桜の方へ戻ってきた。
「残念だけど続きはまた今度よ、桜」梓は桜の額にキスすると身を翻す。
「早く着替えなさい」梓は桜の私服を持ってきた。桜が着替え終わるのを待たずに部屋から出て行く。
桜は必死に頭を整理しようとしたが考えがぐるぐると頭を巡っただけだった。
真理愛の下着は彼女を苛めていた直美から取り返したものだった。
本来なら返さないといけないのだが、真理愛一人では処分できずに困っていた物だ。一緒にゴミにでも出すか焼却炉で燃やして欲しいと言われていたが、桜自身はそんな勿体ない事はしたくなかった。
頼み込んでも良いから自分に譲ってほしかった。何せ学院の君――澄川静香も虎視眈々とこの下着を狙っているのだ。静香はバイクの免許を取って一年が経ち、真理愛を後ろにのせて近くのショッピングモールに行ったりしていた。
このままだと真理愛が静香に奪われてしまう――桜は焦っていた。下着を欲しいなんて言ったら真理愛に引かれるかもとは思ったが自分の欲求には逆らえない。この下着を手に入れるのに自分だって相当の犠牲を払ったのだ。
真理愛に告白しないと、不意に桜はそう思った。雷に打たれた様な思い付きだった。このまま周りに流されるままでは駄目だ。放っておけば真理愛は静香のものになってしまう。それが桜には神の啓示の様に突き刺さった。
――今のままでは真理愛をものにする事も、真理愛のものになる事も出来ない。
梓が戻ってくるまでに真理愛の想いを確かめておかないといけない。気持ちを聞かないまま梓に流されては後悔する。
桜は身だしなみを整えると真理愛がいそうな所――そんなに多くは無い――に行こうと部屋から出た。
――真理愛にすがるしか桜に残された道は無かった――。
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