第一章アルタ編
第1話 アルタ① 希望
[1885年4月6日未明 プロバンス
「国民の皆様こちら首相のステファン ・ポルナレフです。ブルンデン、閣議室から申し上げます。本日未明、ライヒ帝国は我らプロバンス帝国に宣戦布告を行いました。我が国はライヒ帝国と戦争状態に入りました。」
────ライヒ帝国がプロバンス帝国に宣戦布告。
────同盟関係によりオルレアン帝国、イヴェール帝国がライヒ帝国に宣戦布告。
[1915年7月14日 プロバンス帝国北東部ラレス]
今から30年前、1885年にライヒ帝国は突如として俺たちの国へと侵攻を始めた。
この戦争は直ぐに終わると誰もが思っていたが、塹壕が開発されたことで戦争は長期
化した。
この戦争は未だ終わらず、俺は徴兵により戦争に従軍することとなった。
徴兵検査が終わると、俺に渡されたのは軍服とヘルメット、スコップ、FA14ライフル、のみだった。
FA14ライフルは大量生産により粗悪な武器として評判だ。
だがしかたない、30年も戦争が続いているんだ、俺たち国の資源はとうの昔に尽きているからな。
そして俺は輸送車に乗り前線に到着するのを待った。
すると隣の奴から話しかけられた。
「お前も戦争は初めてか?」
「ああ、初めてだ、あんたは?」
「俺も戦争は初めてだよ、でも俺はこの戦争で絶対に活躍して英雄になるんだ!あのアラン兄弟のような英雄にな!そういえば自己紹介がまだだったな、俺の名前はカミーユ・ロジェだ、お前は?」
「俺はシャルル・ボナールだ、よろしくなカミーユ。」
「おう!よろしくなシャルル!」
話していると自然と時間が過ぎており、気づくと前線まであと1キロのところまで来ていた。
すると前から偉そうな奴がやってきて話し始めた。
「よし、全員揃っているな、申し遅れたが私は貴様らを指揮するエルヴェ・デレル大尉だ。貴様らに課せられた任務は敵戦線を突破し、一人でも多くのライヒ人を殺すことだ!」
そう言うとエルヴェ大尉は前方の方へ歩いていった。
そこから俺たちは軍歌を歌い行進して前線へと向かった。
「楽しみだなシャルル、俺たちの初陣だ!絶対に活躍してやるぞ!!」
「ああ、どっちの方が多くライヒの野郎たちを殺せるか勝負だ!!」
「そんなこと言って、負けたら一杯奢れよな!」
とにかく早く戦いたい、その一心だった。
そうしていると、ついに最前線アルタへと到着した。
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