第184話 妹
高級な店でのケーキを食べ終えた俺と薫さんは次の場所にいくために、再び車に乗った。
「次はどこ行くんですか?」
「内緒」
再び薫さんは行き先を教えず謎の場所に向かう。家からだんだん離れていくしめちゃくちゃ心配になるんだけど。
何よりもうネタ切れだ。薫さんとはそこまでしたくしくないし何の話をすればいいのかわからない。美咲のことも聞いたし話したし。
「倫太郎君って兄妹いるの?」
そう悩んでいると薫さんの方から話題をふってきた。美咲の話題でもないし助かる。
「妹が1人。って。もうわかってるんでしょ」
薫さんは美咲の家事情をなぜか知っている。そおらく監視カメラだけど深くは考えないでおこう。
「あーあの。美咲ちゃんが勉強見てたこか。あの子妹だったんだ」
「そうですよ。美咲が受験勉強のサポート中です」
「あの美咲ちゃんがねぇ。やるじゃん」
めずらしく美咲のことをほめる薫さん。
「今もやってるの?」
「もちろんです。俺たちと同じ学校にいきたいらしくて」
美咲が関係ないとここまで話しやすいのか。弱みを握られないように考えないとか最高だろ。
「妹ってかわいいよね」
そういいつつもそこまで思っていないと思う。
「かわいいですよ。俺より優秀ですし」
「陸上だっけ?」
美咲に接触した人物を調べるのが早い。すでに琴音のことを知っていたか。
「調べたけどいろいろと大変だったみたいね。それで陸上では進学できないから勉強ってわけ?」
やはりちゃんと調べているなこの人。俺と兄妹であることを知らなかったてことは表面上だけを調べただけのようだが。
「そういうことです」
「ま、美咲ちゃんなら当然のやくわりだね。君もやるじゃん」
「そんな意味で頼んでないっすよ」
殺気の話的に言えば俺がお願いした時点で美咲の自由を奪ったことになるのはわかっている。結局妹想いの兄だと思えばいい。
「だろうね。でも優秀な妹か。よく飲まれなかったね」
「別に運動で成績とるきないですし。あいつテストの点数は最悪だったので。遠い存在だけどあいつが無理にでも俺のもとにこようとしているというか」
琴音は全国レベルなくせに俺と走るとき俺に合わせる。ケガも気にせず木登りしたりと豪快。自覚がないんじゃないかと思えるほどなんでもしていた。それも俺を巻き込んで。だからどんなに遠くても常に隣にいる自慢の妹だよ。
「そかそか。妹か。弟だけでなく妹も増えるのか…なんかいいね」
何を想像しているんだ薫さんは妹はすでにいるだろ。
「結婚したらですからね」
「私に折れたら確定。私が諦めたところで結果は同じでしょ。知ってるんだからね今の君が美咲ちゃんにいだいているのは友人じゃないって」
「そんなわけ」
あるが、今は否定をしておきたい。
「うそうそ。君はまだ迷ってる。知ってるから」
からかわれたようだ。
「よーしケーキ食べたし体を動かしますか」
ついたのは金を払ってスポーツやゲームを自由にできる施設だ。次は運動のほうか。そっちには自信がある。
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