第100話 期末が始まる
文化祭が終わり平和を迎えれると思えばそう簡単な話ではない。期末テストがあるのだ。中間は範囲も少ないし難なくこなしてきたが期末はしっかりとしている。それ相応の勉強が必要なのだ。
「ここどうすんだ?」
薫さんの一件があったとはいえ俺らの関係は回復した。普段通り俺の部屋でゆっくりしている。学校での関係も変化はなし。いくら美咲が説得したところで無意味だった。
今はしっかりと勉強をしている。一位しか知らない最強の助っ人がいるため今回は安心できそうだ。
「ここはですね」
美咲は勉強がただできるというわけではなく教えるのも上手い。
「あの今回も一位を取ろうと思ってます」
「勝手にとってくれ」
いつも通りのことだ。俺に宣言をしなくても簡単に取ることは可能だろう。
「一位をとろうと」
かなりしつこいな。俺への煽りか。
「まぁ取れるだろうけど。俺はお前が失態する姿も見てみたい」
ありえないことが起こった時、こいつがどんな姿を見せるかは気になってくる。
「あの。私」
怯えている。なぜだ。そんなに一位をとりたいのか。
「ま、とりたいなら実力で取ってみろ」
美咲が一位に執着しているとは思わなかった。
「あの。私は一位を」
「もういいから。勉強しようぜ」
「はい」
様子がおかしいのは明らかだな。とはいえ点数については俺がどうこうできるような問題ではない。俺が邪魔にならないようにするしかないな。
「やばいって。倫太郎っちテストだぞ」
上野が嘆いている。
「ちゃんと勉強教えてやるから」
そんな上野に救済をすると約束する大和やっぱり優しいなこいつ。
「なら倫太郎っちもな」
俺を巻き込むな。と言いたいが仕方ない。椎崎に勉強を集中してもらうためにいいか。
「了解だが、双葉もくるだろ」
「もちろん参加するよ」
学校でのいつもの4人で勉強会か。ぱっと見大和以外はバカにしか見えないけど。
「今日は大和たちと勉強してから帰る」
メッセージ送る程度でいいと思ったがたまたま遭遇したため直接話すことにした。
「そうですか。わかりました。なら帰ってきたら待ってますね」
これで1人で集中できるだろう。一位もまったなしだ。
「ここわかんないって」
「だからだな」
上野が予想以上にバカだった。大和は上野にマンツーマン状態。
「あ、ここは多分こうだよ」
そして双葉が予想以上に優秀だった。教え方が上手いってわけでないが問題集と教科書を繋げるのが上手く答えを覚えやすい。
「そうなのかありがとう」
社会などであればこれくらいで十分だな。
美咲補正に加えてこの体制が整っている。俺は本当に勝ち組でこれは歴代最高順位も狙えるだろうな。
だがそんなのはどうでもよくならない出来事が起こってしまうであった。
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