二人一緒

那須茄子

二人一緒

 クラスに季節外れの、転校生がやってきた。


 彼女の名前は更科岼さらしなゆり

 正直、最初は何とも思っていなかった。


 でも──徐々に彼女と接するうちに、私の心は揺れ始めた。


 岼は明るくて元気な性格の持ち主で、常に周囲を笑顔にさせていた。私はいつも彼女の側にいることが多くなり、自然と仲良くなっていった。彼女との会話や触れ合いは、私にとって何よりも楽しい時間だった。


 そして、数週間が経ったある日。


 私は自分の心の変化に気付いた。岼への特別な感情が芽生え、私の胸が高鳴っていた。   

 初めての恋心に戸惑いつつも、それは否応なく広がっていくものだった。


 どうすればいいか分からず悩む私に、岼はいつも側にいてくれた。彼女は私の気持ちに気付いているのか、まるで同じように心を揺さぶられているようだった。でも、私たちはまだ言葉に出すことができなかった。


 放課後のある日。


 教室で私は岼に勇気を振り絞って告白した。彼女は驚いた表情を浮かべながらも、嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

「私もずっと同じ気持ちだったの」と彼女は言った。


 それから私たちは、手を繋いで歩くようになった。初めはぎこちなかったけれど、次第に自然になっていくはず。


 お互いの背中を押し合い、励まし合う私たちには。これから先の困難も二人一緒なら、何だってできる気がした。


 二人一緒だからきっと。


 


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