砂の少年

Morii

第1話 砂の生き物


僕は歩いた。壮大な砂漠の真ん中で。

風は僕を置き去りにする。太陽の光が僕を永遠と照りつけた。

もうここにきて1週間。水と食料は底を突き、体力も限界を迎えていた。

そう。歩くんだ。

ただひたすらに水と食料を求め、前へ前へと歩き続けた。


少し歩くと、小さな彫刻の彫られた建物が僕の目の前に現れた。

砂で作られているようで、外見も悪くない。

煙突や、カラフルなカーテンも付いているのだ。

助けを求め、僕はドアを咄嗟に開いた。

だが、建物の中には一切ひとけも無い。

「すみませーん、すみません、誰か居ますか」

予想はしていたが、何回呼んでも特に返事はなかった。

取り敢えず食料を探すことにした。


ふと横を見ると、木製の梯子があることに僕は気付いた。

きっと上の階には倉庫があるのだと思い、僕は急な梯子を這うようにして上りつめる。

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