第66話 異界人とシステム
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ヒロ・ヤマガミさん、ヤスノリ・クロカワさん、コウダイ・イワミさん、フミヤ・ワカスギさん、ミオ・シライさん、アカネ・イノウエさんが『グンリル城塞』を攻略しました。
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ある日の夕方、町を歩くミズトの目の前に、何の前触れもなく世界ログが表示された。
(ん? 世界ログ?)
【はい、ヒロ・ヤマガミさんらが『グンリル城塞』というダンジョンを攻略したようです。初めて
(ちょっと待て。たとえば『エシュロキア迷宮』を初めて
【はい、以前ミズトさんが『エシュロキア迷宮』を攻略したときは、全ての
(マジか、あれは俺だけ見えているもんだと思ってた……。ん? そういえば『エンディルヴァンド地下洞窟』を攻略したときも?)
【あの時は
(ふうん……。ちなみに他にはどういう時、世界ログになるんだ?)
【世界ログの種類としては、クランの結成や解散、宣戦布告などクランに関係するもの。ダンジョンの初攻略や公式レアクラスへのクラスチェンジなど個人業績に関係するもの。そして新システム活性化などシステムに関係するものがあります。特殊なアイテムを使用するとコメントを投稿することも可能なようです】
(新システム活性化って?)
【最近では、三年ほど前に『師弟システム』というシステムが新たに活性化されました。これは師弟のいずれかが
(活性化される前はなかったって意味だよな?)
【はい、その通りです】
(ゲームのアップデートみたいなもんか……。クランの結成・参加も
【はい、
ミズトは歩きながら自分のステータス画面を表示した。
これは他人には見えず本人にしか見えないうえ、
(システムにしろこのステータスにしろ、ここの世界の人々とこれほど違いがあると、
【おっしゃる通りです。
(なるほどな……。それでも、よく暴動とか起きなかったな? もし前の世界に、魔法や超能力が使える宇宙人が大量にやってきたら、とても共存できる気がしないんだけど)
【それは世界騎士団の存在が大きいと思われます】
(世界騎士団? ああ、あの野郎がいた騎士団か……)
ミズトはエンディルヴァンド大森林で出会った、世界騎士ロードのアレクサンダーを久々に思い出した。
【はい。世界騎士団はどの国にも属さず、世界全体の治安を守る騎士団と言われており、その役割の一つに
(
【その通りです。世界最強と言われている世界騎士団が、その武力をもって
(治安維持をする最強戦力ってことか……。もし、最強の世界騎士団より強い
【人々は
(…………)
エデンの言っていることはきっと正しい。
ミズトはそう感じていた。
*
「クレア様。お
フェアリプス王国騎士のエドガー・スモールウッドは、ため息をつくように漏らした。
「は? エドガー、あなた何を言っているの?
クレアはエドガーに掴みかかるような勢いで言い返した。
「し、しかし、I級冒険者がやっとの王女様に出来ることなど……」
「エドガー! その呼び方は人がいなくても止めてと言ったわよね!?」
「も、申し訳ございません……」
「誰が聞いているか分からないわ、気をつけなさい! それより、
「そうは申されましても、クレア様はレベルが足りないので、いくら依頼を達成しようと……」
「そんなこと分かってるわ! だからレベルを上げるための策を考えてるの!」
「はあ……、ですがこのような掃除や人捜しのような依頼ばかりでは……」
「うるさいわね! あなたは護衛なんだから、黙ってついて来ればいいのよ! 余計な口出しはしないでちょうだい!」
「申し訳ございません……」
「あら? あんなところに可愛い子犬が。触ってもいいのかしら」
クレアは、少女と遊んでいる子犬を視界に捉えた。
「クレア様! こんなスラム街にいる犬など、不衛生でどんな病原を持っているか分かりません! 犬と遊びたければ、ぜひ王都に戻りパトラッシュとお遊びください!」
「エドガー、あなたもしつこいわ、帰らないと言っているでしょ。それにしてもあの黒い子犬は可愛いわね」
「クレア様……。待ってください、あれはただの子犬ではありません。たしか魔法使いの
「魔法使いの
広場の端で小さな少年の横に座っている男を見つけた。
クレアは冒険者ギルドで何度か見かけた覚えがある。
「あの男です! さあ、こんな場所に用はありません。依頼も達成したことですし、冒険者ギルドへ戻りましょう!」
「あれは何してるのかしら? 子犬を子供と遊ばせているの?」
クレアはエドガーを無視して言った。
「遊ばせる? いえ、使い魔をそんな風に使う話は聞いたことありません! ただそう見えるだけでしょう! さあ!」
「そうかしら……あれはどう見ても……」
クレアはエドガーに連れられ、渋々その場を離れた。
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