第2話 運命の呼び声 - 予言の発見

暮れ時、カイルは祖父の書斎へと足を運んだ。部屋には古い書物と地図が溢れ、祖父が生前に集めた冒険の証と知識の宝庫がここにはある。カイルが子供の頃、祖父はよくこの部屋で彼にアーリアの古代の物語を語ってくれた。今はもうその声を直接聞くことはできないが、この部屋にいると祖父の温かみを感じることができた。


机の上に積まれた書類の中から、一つの巻物が彼の注意を引いた。それは外側からは何の変哲もない古ぼけた巻物だが、カイルの手に触れた瞬間、何か特別なものであることを感じた。彼は慎重に巻物を広げ、古代の言語で書かれた文字を追い始めた。


巻物にはこう記されていた:


「星々の歌が失われし時、世界はその調和を失う。だが、選ばれし者が現れ、再び歌を奏でる時、失われた調和は世界に戻るだろう。」


カイルはその言葉を何度も読み返した。予言は明確だった。星々の歌が失われたことが、今の世界の混乱と不調和の根源であり、それを取り戻すことができるのは「選ばれし者」だけだと。


「選ばれし者...」カイルはつぶやいた。その言葉が自分に関係しているとは、まだ彼には想像もつかなかった。しかし、この予言に対する奇妙な引きつけられる感覚を否定することもできなかった。


その夜、カイルは眠りにつくことができず、星空を見上げた。無数の星々が彼に語りかけてくるような気がした。「もしかして、これが僕の運命なのか?」と彼は心の中で問いかける。星々の歌を復活させる「選ばれし者」とは何者なのか、そして自分がそれにどう関わっていくのかについての答えを探すために。


翌朝、カイルは決意を固めていた。この予言の意味を解き明かし、自分の運命を見つけ出すための旅に出ることを。彼は、まずは賢者エドモンドを訪ね、予言の巻物について話すことにした。エドモンドならば、何か手がかりを与えてくれるかもしれない。


カイルの心は不安と期待で満ち溢れていたが、彼は既に一歩を踏み出す準備ができていた。この旅が彼の人生をどのように変えるのか、まだ彼にはわからない。しかし、星々の歌を巡る冒険が、今、始まろうとしていた。

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