君はもういない

虹のゆきに咲く

第1話 君はもういない

 礼奈

君はもういない。あるのは僕の君への想いだけだ。

遠い記憶が僕を連れて行ってくれる。君の元に、もう君に会う事はできない。

せめてもの僕の想いを今から書くよ。

 康介


思い起こせば、君と出会ったのは公園だったね。

君は白いベンチに座って本を読んでいたんだっけ。

あの頃は赤と黄色の枯れ葉が舞っていたよね。

最初に気づいたの僕かな。

君は僕の方を一瞬だけ視線を移したけど、すぐに戻したね。

君に枯れ葉が舞い降りていて、僕は枯れ葉が羨ましく思えたんだ。

僕は奥手だったからさ、君に話しかける勇気がなかったんだよ。

すると、君はもう一度、僕の方に視線を移したんだよね。

ドキドキさせたじゃないか。

自分の小心なところを一瞬つかれたように思えたよ。

でも、意外と僕は大胆な行動をとったよね。

何?って聞こえそうだけど。

ほら、君にラブレターを書いて紙飛行機でベンチまで投げたじゃないか。

覚えているかな。

もう、忘れたなんていわせないよ。

君はびっくりした表情で僕の方を見つめてさ。

あれで、僕が気になっただろう。

だって、顔が赤くなっていたじゃないか。

それからだったのかな。

君とデートをするようになったのは。

最初に行ったのは遊園地だったかな。

君は子供のようにはしゃいでさ。

可愛かったよ。

でも、もう君はいない。

続きを教えてほしいって。

いいよ。







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