地球を滅ぼした張本人(15)ですが、何かご用ですか?

@ShironakaYuu

第1話 うわぁ...地球を滅ぼしてしまった......

3XXX年

 数々の惑星において生命体の存在が確認された世界。少子高齢化の影響で人口が減り続ける地球では、人手不足によって、インフラの崩壊、経済悪化、経済悪化による政治不信、最終的には、国の消滅など、数多の問題が進行していた。そんな中、ここ、“JAPAN”では、外国人だけでは人手不足を補えないことを理由に、他惑星における生命体をも勧誘し、日本で働き、生活するよう促し始めた。その結果、日本人1万人に対し、外国人5万人、そして、宇宙人1億人と、なんとも奇妙な人口バランスが完成した。

 宇宙人の中には、様々な出身星があり、最も多い星が火星、続いて、水星、金星、木星、土星...と続き、中には、聞いたこともない星からもやってくるようになっていた。知名度のあるエリート星(水星、金星、火星、木星、土星など)から地球にやってくる場合、多くは、地球で荒稼ぎをし、裕福な人生(宇宙人生)を送るためである。一方、知名度が低い星からやってくる宇宙人は、総じて、元の星では貧しくて生きていけないという貧困層が、出稼ぎのためにやってくるのである。

 そんな状況の中、宇宙人1億人という多くの宇宙人を構える日本において、31XX年、ある政策が成立した。それは、6~22歳までが対象の「宇宙学校」を他惑星に建設させることである。この「宇宙学校」は、日本からの寄付金によって、知名度がない星々に学校を建てさせ、学生の学費を無償にさせる代わりに、将来、彼らに、日本で永久に働く義務を負わせる仕組みとなっている。

 宇宙学校には大きく2つのカリキュラムがある。1つ目が、6~12歳で行う「座学」。そして、もう1つが12~22歳前後まで行う「実践」である。この「実践」とは、実際に、宇宙学校から飛び出し、日本で10年間日常生活を送らせるカリキュラムである。卒業時、優秀な成績を座学・実践共に修めていた場合、日本の学校を卒業後、誰もが羨むような就職先(医師、大企業、公務員など)が確保されている。

 このような学校の誕生により、多くの宇宙人が、日本人の名前・容姿に擬態し、日本人として、働き、生きるようになっていった。

 

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49XX年

 皆さんこんにちは。なんで2月ってこんなに寒いんでしょうか。あまりにも寒すぎて、布団に入ったまま外に出たくなりますよね。あっ、紹介が遅れました、私の名前は、宇野宙(うのそら)。ぴちぴち!15歳の女の子だよ(この表現はもう古いかな?てへっ☆)。

 え~~、実は今、とんでもないことをやらかしてしまったんです!!それは何かというと......地球を滅ぼしてしまいました!!!

 違うんです!わざとじゃないんです!ただ、ちょっと化学の実験で、ペットボトルにエタノールを入れて点火するっていう工程があって...(危ないから、よい子も悪い子もマネしないでね!!)...それで、エタノールを入れすぎてしまったみたい!!気がついたら、学校も周囲の家も、そして地球をも燃やしてしまったよ☆

 えっ、じゃあ、何であんたは生きてんのっていう質問があると思うんですけど、何故だと思います??(質問に質問で返す女☆)

 こ・た・え・は~~

 ずばり!私が宇宙人だからです!!ほら、私の名前を思い出してみて!名前に「“宇” 野“ 宙”」って、「宇宙」が入っているでしょ?

 いやぁ、頑張って地球人に溶け込んではいたんだけど......なんか、エタノールを○ml入れろって、白ひげボーボーむしゃむしゃの先生が言ってて、ただ、数字がどうしても聞き取れなくて......。なんか、ひげをむしゃむしゃ食いながら話すから(汚すぎる!!)、元々数字が苦手なのに、もっと分からんってなっちゃって......。(あっ、ちなみに、XXX星に“数字”という概念はないよ☆宇宙学校では習ったけどね☆)

 それで、気がついたら、ペットボトル満タンにエタノールが入ってて、まあ、大丈夫だよね?いざというときは、宇宙人ならではの不思議パワーがきっと開花するよね?(実際は、そんなものないけど☆)よし!っと思って、ペットボトルごと燃やしたら、爆発&ペットボトルロケット発射☆してた!!

 うーん。でも、これからどうしよ...。かろうじて生き残ったけど、地球はおろか、人類とかも滅んでしまったみたいだし......。ってか、なんで、たかが実験で、日本周辺どころか、反対側のブラジルとかまで、強いては地球全体まで滅んでんの?たかが、ペットボトル1本(多分2リットル...?)だよ?地球、脆弱すぎるわ!でもマジでどうしよう...。地球滅んだけど、再建は私一人じゃぁなんともできないし......。

 仕方がない、住んでた星に帰るか......。


 「なあ」


 .........ん?今、なんか声が聞こえたような...?


 「なあつってんだろ!無視すんなやぼけ!!」

 

 うわー、ガラ悪っ。


 「......どちらさんですか?」

 「おまえ、一体何したん?なんか、地球滅んでるんだけど。」

 「......あの......なんで無傷なんですか?」

 「あ?.......あぁ、そんなんどうでもいいやろ。つか、お前、本間に、なんちゅうことしてくれたん......。地球滅ぼしといて、元の星なんて帰られへんで。」

 「えっ?星?」

 「......お前、どうせ、宇宙人やろ。元々バカな女やとは思とったけど、良かったのは見た目だけやってんな、マジで。」

 「ほえっ!?!!?何故ばれた!!!」

 「......見てりゃ分かるわ。まあ、でも、それどころとちゃうわ、今は。マジでこれからどないするんや。」

 「......どうしよう......。助けて!!えっと......ナナシノボンベイさん!!」

 「それ言うなら、ななしのごんべい、やろ!!つか、俺、お前のクラスメイトの佐々木!佐々木空助(ささきそらのすけ)や!!中1からずっと一緒やろが!!」

 「......おったっけ?」

 「おったわ!!っていうか、本気でこのまま逃げるんとちゃうやろなぁ?地球とかいう大きな惑星壊しといて、このまま、ほい、サイナラなんて言わんやろ?」

 「え~~~っと~~~~」

 やばい!逃げよ!なんか、全っ然記憶ない、ガラ悪男が、めっちゃ詰めかけてくる!!このまんまじゃ、捕まっちゃう!!!私、見た目だけは素晴らしいバディ(俗に言う、ボン・キュ・ボンだから、下手するとエロ同人誌みたいになっちゃう!!!)........っていうか


 「えっ、なんで、今宇宙空間に浮いてる状態やのに、話せてんの?」

 「あぁ、言ってなかったっけ?俺も宇宙人やねん。お前と星はちゃうけど。」

 「......えええ!!!」

 「っていうか、さっき、宇宙学校から連絡来とったけど、マジで帰られへんぞ、XXX星に。」

 「え?」

 「XXX星の宇宙警察から指名手配されとる。お前が。」

 「はっ!?」

 「ほら、見ろよ、これ。」

 佐々木、とかいう宇宙人仲間と思われる奴から、スマートホンの画面を見せられる。見てみると、私の顔写真と共に、名前、年齢、そして、、、

 「歴史改ざん罪、自然破壊罪、宇宙システム損壊罪...えっ、3つも!?」

 「そりゃそうやろ。本来、地球は滅ぶべき存在ちゃうのに、滅んでも数億年先の話やったのに、お前は壊した、これ歴史改ざん。次、地球の貴重な生命体を滅ぼした、これ自然破壊。最後に、地球という惑星がなくなったことで、XXX星を含む、他惑星の自転周期、公転周期、環境等様々なシステムに悪影響を与えた、これ宇宙システム損壊。えーと、刑罰は.........はっ、死刑じゃん。」

 「ちょっ、笑わないでよ!なんとかしてよ!!」

 「......どーしよっかなー。」

 「なんでもするから!ねっ!ねっ!お願い!!」

 「なんでも?」

 「なんでも!!!」

 「......言うたな?」

 「?」

 「覚悟しとけよ、宇野」

 「え?」


★次回、どうなる!?

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