叛逆の魔法少女は奪われる
のーま
prologue
私は魔法少女だ。
水の魔法を使う魔法少女、リズ。
それが私の、夢の世界での姿だ。
これらは現実ではないと思う。
非現実で、決して起こり得ることのない世界。
だから私は、例え頬をつねって痛みを覚えるとしても、この世界はただの私の希望を背負った夢だと結論づけているのだ。
空を飛ぶクマのぬいぐるみも、魔法を放つステッキも、「遠いところから集まった」という仲間たちも、額に傷をつける怪物も、全て架空の妄想でしかない。
その一点に尽きているのだ。
だから私は夢の世界での話を決して現実で口にしない。おかしなやつだと思われる。
認めるしかないわけだが、クラスメイトたちに精神が狂っているとは思われたくない。
朝起きるとついていた傷だって、私が寝ている間に自らつけただけなのだ。
だから私は、今日もクマのぬいぐるみを押し入れに押し込んでいる。
叛逆の魔法少女は奪われる のーま @noma22148
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