ISIA(銀河間特務捜査機関)

クララ13

第1話 キーパーズ創設

統一歴4056年6月13日


現在の銀河では多数の種族や国家が存在し、宇宙航行をはたしている。そして現在の「人間」の定義は「一定の文明があり、思考力、コミュニケーションがとれる存在」としている。異星種族同士がコミュニティを作るのも当たり前の時代となった。


〜シタデル某所のアパートの一室にて〜


「このドラッグをさっさと売り捌いてこんな所おさらばしてやる」

「あぁ、だがまず買い手を探さねーと」


数人の柄の悪い人間が良からぬことを企んでいるようだ。


バン!!


突然勢いよくドアが開き、強烈な光と爆音で彼らは倒れてしまった。その後を続くように武装した人間が押し入ってくる。


???「突入!!」

???「手を挙げろ!」

???「動くなよ!」


ものの15秒足らずで部屋を制圧してしまった。


???「違法薬物の所持、密輸、許可申請していない武器の所持等の5件の罪状による強制捜査を執行する!始めるぞ!」


突入してきたのは"シタデル保安局(C-CEB)"という警察機関のタスクフォース"シタデルタクティカルストライカー(C-TACS)"である。

強制捜査の指揮を取っているのは"ギャレス・ヴァガリアン"という若い"トゥーリアン"である。


「隊長コレがユーリシア連邦から持ち込まれたドラッグ"アポロ"でしょうね」


「大量だな・・・15キロ以上はありそうだ。よし直ちに"科学捜査班"と"麻薬取締局"を呼んでくれ、後は彼らに任せよう」


「「了解!!」」


〜しばらくして〜


「応援のC-SEBが到着しましたね」


「我々の仕事は終わったな・・・撤収!」


「了解、本部にも連絡しておきます。 "本部こちらユニット2-4これより帰還します・・・はい・・・了解です。" 隊長!長官が帰還次第直ちに長官執務室に来るようと指示がありますが何かあったんですか?」


「マジか・・・はぁ〜わかった本部に到着したら向かうと伝えてくれ」


〜シタデル保安局(C-CEB)本部 長官執務室〜

「ギャレス・ヴァガリアン只今帰還致しました。何か御用でしょうか長官」


「ギャレス君、今回も素晴らしい成果だったそうだな。」


「ありがとうございます。ですが私だけで無く優秀な部下も居なければなし得なかったことですので。」


「君は謙虚だな。そんな君にある"誘い"が来ているんだが・・・おっ丁度そのお誘いの相手が来たようだ」


長官執務室に入ってきたのは自分よりも一回り大きい男だ。キメが荒い赤い色の鱗、角のある頭、体格からして"ドラゴニュート族"の者だろう。


???「やぁ、初めまして私は"ISIAアイシア(銀河間特務捜査機関)"の総司令をしている"ノース・イワンコフ"だ。」


「ISIAの総司令!!銀河全体で数少ない"法規的な特例"を受けている捜査機関のトップが私に何か御用でしょうか?」


「単刀直入に言う。ISIAの捜査官にならないか?」


ギャレス(おいおいあのISIA総司令が直々に俺をスカウトしに来たのか・・・だがコレは"シタデル"という限られた場所では無く"銀河全体"に正義と平和をもたらす一員になれる最後のチャンスかもしれない・・・これに乗るしかない)

「わかりました、謹んでお受けいたします。ISIA捜査官として活動するのはいつ頃でしょうか?」


「素晴らしい熱意だな。だがまずは1ヶ月後に控えているISIA捜査官になる為のテストと訓練があるコレをパス出来なくてはそもそもISIA捜査官にはなれんが・・・君のことだ問題は無いだろう」


〜1ヶ月後 惑星ヴェロームのISIA訓練所〜


ギャレスが到着すると30数人程の様々な種族の人間がいた。


(俺と同じトゥーリアンが何人か、他にも"アサリ"、"人類"、"ルタニアン"・・・色んな奴らが居るのか)


突然大きな声が訓練所に響いた。


???「諸君"ナルク訓練所"へようこそ!」


そこには訓練所の教官らしき人物が仁王立で立っていた。細かな鱗や尻尾、角の無い頭から"アルゴニアン"だろう。


???「俺はナルク訓練所で教官長をしている"シャル・ディー"だ!これからお前達を何も出来ない雛鳥から優秀な捜査官に育て上げる者であり、お前達が毎日顔を合わせる必要のある男だ!よく覚えておけ!!」

「早速だがこれからお前達には1週間に渡りテストを受けてもらう!このテストは戦闘技術全般だけで無くサバイバル技術、道具や装備の知識・整備技術、法律の知識から様々な種族の一般常識まで幅広く、ありあらゆる能力を試していく!このテストはまず結果を5段階評価される。もし5段階で1番上だった場合は捜査官の素質を持つものとして"ココの訓練をパス"できる!だがこんな事はまず無い、数年に一人いれば多い方だからな。そこで2番と3番だったものは"直ちに捜査官にはなれないが訓練すれば問題なし"として半年間の訓練を行う。4番の者は"疑問ではあるが可能性はある"として1年の訓練を行う。5番の評価を下された者は"素養なし"とされ直ちに元いた場所即ちここから立ち去ってもらう!!ではこれよりテストを開始する!!」


戦闘技術テストの射撃項目では実弾、エネルギーウェポン、ハンドガン、サブマシンガン、アサルトライト、DMR、スナイパーライフル、ランチャー等ありとあらゆる武器の適正とCQBから800メートルを超える狙撃まで様々な状況の射撃技術を評価する。近接格闘項目では訓練生同士や教官との近接戦闘を行い、これを評価していく。


パンッパンッ

800メートル先の標的にスナイパーライフルの銃口を向け引き金を引く。


パラララッ

僅か数メートル、あるいは数十センチ先の屋内にいる標的にサブマシンガンの弾幕を浴びせる。


ピュンッ

200メートル先の標的にエネルギーウェポンの光線を浴びせ続ける。

(射撃は問題無いな・・・訓練を思い出せ)


ギャレスはC-CEBや軍の訓練を受けていた為、射撃項目では高い評価を得ていたが、近接戦闘では種族的に体格が優れていたり、軍属に居た者に対して遅れをとっていた。


ルタニアン訓練生とギャレスが近接格闘を開始したが、ルタニアン訓練生との体格差によりギャレスは終始ピンチとなっていた。


「ぐふぅ」

(クッ・・・ルタニアンの体格差や近接戦闘最強と謳われるコヴナント軍に居た者には負けてしまう・・・だがそれでもやるんだ!!

ギャレスは怯んだ振りをしてルタニアン訓練生の足を踏み抜いた。その時一瞬のスキをついて三角絞めを決めそのままルタニアン訓練生を落としてみせた。だがこの戦い以外の結果は芳しく無かった。


サバイバル技術項目では惑星ヴェロームの-20℃の極寒地域に移動し、ナイフ1本で24時間生き残る訓練をした直後、惑星ヴェロームの赤道付近に移動し、39℃を超える熱帯雨林でライフルやサバイバル装備一式を持って5時間かけて行軍を行う。


ギャレスは・・・いや"トゥーリアン"は他の種族とは一線を画す特徴があるそれは「肌が金属で出来ている」ことである。トゥーリアンの母星"プラヴェン"ではオゾン層が他の惑星より少なく太陽光の有害性が高いのだがプラヴェンの生物は皮膚に軽金属を纏う事で適応した。だが皮膚が金属で出来ていると言う事は寒さに対する耐性が他の種族に比べて低く、「泳ぐことができない」ため「トゥーリアンはサバイバル適正が低い事が知られている」


「ふーこの寒さは堪えるな寒さを凌げる場所・・・うん?明かり?」


近寄って見るとバルドクニアンと人類の訓練生が焚き火をしながら魚を食べていた


???「さすがだなこんな短時間で焚き火を作るとは」


???「君こそものの20分で5匹も釣ってくるとは・・・うん?」


二人がギャレスに気付いたようだ。


???「ねぇ!こっちに来なよ寒いっしょ」


「すまない温まらせてもらおう」


???「気にすんな魚・・・食えるか?お前の種族的に」


「この魚は・・・問題無い、というか良いのか?」


???「構わねぇよ、もういくつか魚取ってあるし」


???「えっ?マジで?!ありがとう・・・でもその魚は何処に?」


???「ほら魚は傷みやすいから燻製なんかの保存方法が確立してない時は水に浸して延命させておけって教わったろ」


「なるほど・・・ところで名前を聞いても良いかな?俺の名前はギャレス・ヴァガリアンだ」


「確かにまだ名乗ってなかったね、僕の名前は"リコ・フェルトン・ナリシュ"、長いから"リコ"って呼んで。」


リコと名乗ったバルドクニアンは「人懐こそうで明るい性格」をしている印象を受けた。


バルドクニアン・・・確か母星が極寒の惑星になっているため毛深いのが特徴で地球の「狼」や「犬」に近い造形をしている。


「そしてこっちの釣りが得意な人類は・・・」


「スミス・サクライだ」


こちらは少々気難しそうな感じがする。


「二人は仲が良さそうだが付き合いが長いのか?」


「あぁリコとは軍のアカデミーからの付き合いだな」


「あっそっか・・・そう考えたら長いよねぇー、ねぇ君の事も教えてよこれも何かの縁と言う事で」


「構わないどうせ後19時間も時間があるしな」


・・・


「ギャレス君は15歳でトゥーリアン軍に所属して5年務めて退役した後にC-CEBに入って4年でC-TACSの隊長まで上り詰めてISIAの総司令からスカウト!!!凄い優秀なんだね〜・・・えっ24歳なの!!」


「あぁそうだが二人は?」


「二人とも26歳だけど・・・凄いねぇ」


「24でISIA捜査官・・・史上最年少記録狙えるかもな」


「じゃ二人は軍か警察組織に所属してたのか?」


「あぁ俺もリコもユーリシア連邦軍に所属していてなその時の上官が"お前達はもっと上を目指せるはず"と推してきてな」


「そーそーまぁスミスと一緒にいれば大抵何とかなるから別に気にして無いけど」


「そういえばユーリシア連邦は新兵訓練をした後は各兵種専門の訓練を受けると聞いたことがあるがどうなんだ?」


「俺は"爆破解体、グレネードや砲撃による友軍支援が任務の破壊工兵"と"標的の追跡を行うトラッカーと移動先を予測してトラップを仕掛けるトラッパー"の訓練を受けたな」


「僕は"戦場での戦闘、偵察によるドローン、タレット支援が任務のテックソルジャー"と"敵デバイスの簡易ハッキングによる無力化・制御下に置くことが任務のクラッカー"の訓練を受けたね」


「なるほど・・・リコのスキルは俺にマネできん芸当だな」


「僕からすれば射撃訓練であんなバカスカ標的に命中させる君の方が凄いけどね」


「みてたのか?!」


「当然だな"凄腕の射撃技術を持ち、体格差で劣るルタニアン相手に格闘戦で勝ってみせたトゥーリアン"警戒しないわけが無い」


ピッピッ


時計が24時間の経過を知らせた


「次は熱帯雨林の中で地獄の行進だ気を引き締めるぞ」


「当然!ギャレス君も気をつけてね!」


「あぁお互い気をつけよう」


〜ヴェローム赤道付近の熱帯雨林〜


ギャレスはライフルやサバイバル装備一式を持って行軍している。


(汗が止まらない、体力が奪われていく・・・だが止まらない俺はテストをパスするんだ。)


軍にいた時に培った不屈の精神と正義感、そして憧れの夢を叶える事を原動力に彼は歩み続ける。


(何とかゴール出来そうだ)


ギャレスはフラフラになりながらも行軍を無事完遂したのだった。


〜ナルク訓練所〜


訓練所では30時間振りにシャル・ディー訓練長官に出会った。


「これより装備品の知識・整備のテストを始める!!銃やドローン、デバイス等で己が自信を持って出来る事を自己申告すること!!もし申告した事が出来なければ大きな減点対象となる!!」


「ギャレス貴様は何ができる聞かせてもらおうか」


軍やC-CEBにいた時に使用していた銃器17丁ほどの整備、偵察ドローンや戦闘用ドローンの修理と動作チェック、ブリーチングチャージ、アーマーの修繕、グレネードの手入れ等を披露してみせた。


「良い腕を持っているな・・・ヨシ!次!」


(ひとまず納得はしてくれたようだ)


〜訓練生の整備テストが終わり〜


最後に座学のテストが始まろうとしている


「これから現行の銀河法や様々な国の一般常識のテストを受けてもらう!ISIAは法規の枠を超えて独自に動ける捜査官として多種多様な国に出入りする事が多いからな異星種族の統治する惑星で"知りません"なんてモノは通用しない!ではテスト始め!!」


(シタデルは"異星人の坩堝"と言われる程多種多様な異星人が出入りするからC-CEBで学んだから問題なし・・・銀河法も弁護士を目指してるわけでは無いから何とかなりそうだ)


「そこまで!!答えるのをやめて直ちに退室するんだ!!」


(これでテストは終わりか。人事は尽くした後は結果を待つだけだな)


〜しばらくして〜


「これより結果を発表する。名前を呼ばれた者は教官室に来るように」


「ギャレス!」


「はっ!」

(来たかことの時が)


「ギャレス単刀直入に評価する。"お前はランク2だ。"これから半年間鍛えてやるから覚悟しておけ」


「かしこまりました!失礼します」

(ひとまずテストはパスしたな)


テストは無事ランク2で通過し、少し気分が浮かれていたところに聞き覚えのある声が聞こえてきた


「あっギャレス君テストどうだった?」


「俺はランク2だったな」


「おめでとう、俺はランク3で通過したが・・・リコがランク4でな」


「そうなんだ・・・1年間も訓練だよ」


明るく人懐こそうな彼が少し小さく見えた気がした。

その時、以外な人物から声をかけられた。


「お前たちは受かった者達だろ何故悲しそうな顔をしている?」


「「「シャル・ディー教官長!!」」」


・・・・


「なるほど・・・そう言うことか。それなら一ついい案がある、"ISIA捜査官の補佐官になれば良い。"」


「「「補佐官??」」」


「あぁ、ISIA捜査官は単独で任務に当たる捜査官も居るが少数精鋭のチームを組んで任務に当たる捜査官も居る、その場合"ISIA捜査官としての特権"は使えないが捜査官の任務同行する許可がでる"補佐官"を任命する事ができる。そして何より補佐官の訓練期間は6ヶ月だ。この意味が分かるな?」


つまりリコはISIA捜査官を諦めろと言うことか。


(リコ・・・辛い選択だな)


「本当ですか?!じゃあ捜査官辞めて補佐官になりまーす」


リコの選択の速さにギャレスは驚いた。だがスミスは「やはりな」と彼の選択に驚くどころか当然と言う反応を示した。


「えぇ!!本当に良いのか?ここまでのテスト大変だったのに」


「良いの良いの気にしないで僕は捜査官自体に興味は無いからね」


「それにだお前達は"良いチーム"になれると思うぞ。"指揮を執り、ありとあらゆる銃器を扱うコマンドソルジャー"、"爆発物の設置・解除はお手のもの、それを利用したトラップ技術と移動先を見極めるトラッカー"、"ドローンやハッキングに長けたテクノロジーソルジャー"、後一人"接近戦が得意な者"がいれば大抵の任務で遅れを取らないはずだ。」


3人は一様に納得したようだ

「なるほど」


「ひとまずリコ。お前を補佐官訓練にするいいな?」


「了解です。ありがとございました。」


「ではそのようにしておく。お前達二人も気を引き締めておけよ。」


そう言って教官長は去っていった。


俺は改めて気を引き締める

「んじゃこの半年間頑張ろうな!」


「「おう!」」


〜訓練開始から数ヶ月後 シタデル〜


シタデルの繁華街にてギャレスとスミスは人を待っていた。

スミスはリニアステーションの出入り口を見てみるとお目当ての人物が現れた。

「おっ来たぞ」


バルドクニアンのリコがこちらに向かって走ってきている。

「ごめーん、ここのリニアステーションが迷宮すぎて迷っちゃった」


ギャレスがケラケラと笑いながら。

「このセントラルリニアステーションは広くて混雑して入り組んでる上に3ヶ月に一度改装工事してるからコロコロ通路が変わって本当のダンジョンみたいになってるから初めて来た人間が迷子になるのはよくあることだな」


二人はドン引きしているようだ。

「「いや、どんな設計してんの?」」


リコが切り替えて明るく話しかける

「まぁでも3人揃って4連休だしこのまま遊びに行こうよ!」


「それもそうだな!よしギャレスオススメの場所案内してくれるか?」


「もちろんまずは・・・」


「「美味い!」」


「な!ここの料理は種族を問わずにいい味を提供してくれるんだよ。食い終わったら次は・・・」


「本当にスミスはゲーム上手いよねー」


「まぁゲームは大体のパターンを掴めさえすれば色んなゲームに応用出来るからな」


「それに比べてここを案内したご本人は・・・」


ギャレスが少し恥ずかしそうにしながら

「イヤ、人は得て不得手があるからな//」


「イヤその言葉は他人がフォローするから良いのであって自分で言ったらただの開き直りだからね。」


リコに珍しく正論をかまされ少し傷を負った。


〜そこから3人は遊び続けあっという間に休みは終わり〜


スミスが気だるそうにしている

「休みこんだけ?」


普段から明るいリコも今日ばかりはテンションが低い

「やめて今訓練の話ししたくない」


正直自分も今日ばかりはやる気が起きない

「後2時間したら始まるぞ」


「やめてって言ったでしょ!!」

リコが強く非難するが、思いもよらないことを口走る。

「あっそういえば近接戦闘が得意な人見つかったよ」


「「えっ!!今言うことか!」」

二人が口を荒げる。


「いやずっと探してたでしょ」

リコがムスッとした顔で言ってくる。


スミスが食い気味に言葉を続ける。

「そいつは一体誰なんだ!」


リコが何とも無い様に続ける。

「同じ補佐官の訓練を受けててね、種族はサンヘリオスであの"コヴナント軍"で近接戦闘を中心に様々なスキルを学んでいるみたいでね、将来的にこのチームに必要になるかと思って連絡先交換してるんだ」


スミスは呆れながらも感心している様だ。

「本ッ当にお前のフットワークの軽さには驚かされるよ」


「リコ、ソイツと明日会うことは出来ないか?」


「出来ると思うよ、そうだな〜・・・19時くらいなら大丈夫だけどそっちは?」


「19時か・・・大丈夫なはずだじゃあその時間にここで落ち合おう」


約束を取り付けたが、これから憂鬱な訓練が始まるとイヤでも意識しなければならなくなった。


〜19時〜


「そろそろ来るはずだが・・・」

スミスが呟くと


ガチャ 


リコが先に入ってきた

「連れてきたよー さぁ入って入って」


次に自分いやトゥーリアンという種族より1回り大きい種族サンヘリオスが入ってきた。


???「初めまして、俺の名前は"アーセルス・ミィリアント"だ。優れた近接戦闘兵(ショックトルーパー)を探してるんだろ?」


スミスからリーダーお前が喋れという圧を感じた。

「初めましてアーセルス俺の名前はギャレス・ヴァガリアンだ。単刀直入に言う、俺たちと一緒にチームを組んで欲しい。」


アーセルスが口を開く

「俺は俺と同じかそれ以上に優秀な奴としか組まない、お前は強いのか?」


「近接格闘では勝てるか分からないが、"撃ち合い"なら負け無しだが」


「ほぉ?やってみるか?」

アーセルスが威嚇を込めて唸る。


どうやら怒りで周りが見えてないらしいのでタネ明かししてやろう

「オイ、俺の左手見てみろよ。お前の目は節穴か?」


アーセルスは驚いた、そらそうだ俺の左手はハンドガンを持ち、銃口をアーセルスに向けていたのだから。


アーセルスが怒気を含めた声で唸る

「卑怯な無能が・・・そんな手でしか勝てないのか?」


何を言ってるのだろうか?そんな戯言本番じゃ通用しないから俺が一言言ってやる。

「じゃその無能に負けたお前は俺より無能って事が証明されたな」


スミスとリコはこの状況をどうしようか慌てていたがアーセルスの一言で方がついた。


「なるほど、誇りより確実な勝利を選び、俺を納得させた素晴らしいな!気に入った俺をチームに入れろ!!」


気に入ってくれたのは幸いだが上下関係はキッチリしておかないとな。


「今"入れろ"って命令したのか?」


アーセルスが感心した様に頷く

「なるほど、卑怯ではあるが"芯"は持ってるのか、じゃあこうしよう"チームに入れるという提案をした"」


「なるほど柔軟な考え方は出来るのか、俺も気に入った共にチームを組もうか」


こうして最悪で最高な顔合わせは終了した。


〜訓練完了〜


今日の訓練所は一味空気が違う、訓練生達はどこか誇らしげだ。


教官長のシャル・ディーが最後の小話を始める。

「訓練生諸君良くここまで耐えてきた。君たちの素養とここでの訓練、両方を備えた君たちなら如何なる困難が訪れようとも必ず乗り越える事ができるはずだ、あの正門から外に出れば君たちはISIA捜査官として任務が与えられるだろう。そして俺からの最後の教えだ"生きる事を諦めるな"以上だ!!」


訓練生達が一人ずつ正門から外に出て行くのを教官達はただ見ているだけだがどこか誇らしげでもあった。


〜惑星アヴァラント ISIA捜査官セーフハウス〜


ギャレスがPCを開き、チームメンバーとブリーフィングをしている。


「ここからすぐ近くにある都市バーミントにてハードドラッグ"アポロ"の供給元がある可能性が指摘された、本部からの指令はこのハードドラッグ"アポロ"の供給元壊滅、そしてレシピの完全抹消を求めている。俺たちの初任務だ。ここで俺たちが優秀な部隊だと言うことを証明しよう!!」


アーセルスが口を挟む

「なぁ"俺たちのチーム"じゃ締まり悪いだろ。名前考えないか?」


スミスが咎める

「今じゃ無くても良いだろコレが終わったら幾らでも考えられるし。」


こんな面白そうな話しにリコが食いつかないわけがない

「良いねー何にする?」


スミスが呆れた顔をしながらギャレスに沈静化を促す

「リーダーお前が名前を決めてくれ、そうすれば納得するだろ」


ギャレスがしばらく考えたのち大きく頷く

「キーパーズ・・・平和と安全、そして調和を守る存在そうなりたいんだ。どうだ"キーパーズ"で納得してくれるか」


「それは良いな」

「良いと思うよー」

「何でも構わねーよ」


「よし!キーパーズ任務開始」

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