#2・転機
話の内容が変わるような改変、アドリブはご遠慮下さい。
残虐描写、暴力描写があります。
内容をご確認のうえ、上演や収録の判断をお願いいたします。
<登場人物>
・ザーグ
国家魔術士一級。基本的に敬語。
重力を操る。年齢不詳。性別不問。
・アイト
ザーグと組む国家魔術士。
身体強化魔法で筋力を強化して戦う。
ザーグより歳は若い。口調は幼め。
嗅覚過敏で魔力や感情の探知が得意。
年齢不詳。性別不問。
・レイリー
教団内にある児童施設にいるシスター(ブラザー)。
水を操る治療術士。華奢な見た目だが元軍人、陸軍軍曹。
基本ホワホワしているが、状況把握、判断力に優れている。
年齢はアイトと同じくらい。性別不問。一人称変更可。
・フィン
警察官。風を操る魔術士。
教団の魔術士を毛嫌いしている父親がいる。
国家魔術士の試験は受けていないが
実力は一級に等しい。
歳はレイリーと同じくらい。
性別不問。一人称、口調変更可。
・オルフェ
火を操る魔族。爆破魔法を使う。
街で交通網の遮断や公共施設の爆破などを
「あの方」の命で行っている。
年齢不詳。性別不問。一人称変更可。笑い方もお任せします。
----お話はここから----
-警察署
フィン:またか!
(N)今度は駅手前のバス停の爆破…
昨日はその手前のバス停と、
児童施設が爆破された…
この街と大陸を結ぶ唯一の橋を落とされてからというもの
わすが4日で街中は大混乱している
海路を行く船も全て爆破されて使えない
空路も航空機がすぐ爆撃を受けて迂闊に使えない
…もっと早く教団を呼べば、
ここまでにはならなかったはずだ…!!
-教団内、児童施設
アイト:おーっす!シスター(ブラザー)レイリー!
レイリー:みんな、アイトが来てくれたよ〜
アイト:おうおう、みんな元気で何よりだ!
-子供たちに囲まれるアイト
ザーグ:こんにちは
レイリー:ザーグさん!
お久しぶりです
あなたがここへ来るなんて珍しいですね
ザーグ:本日はシスター(ブラザー)に
お願い事がありましてね
レイリー:お願い事…ですか、
アイト:おい、髪を掴むな!
あー!このガキ共〜!ボクで遊ぶとはいい度胸だ!
くらえ!くすぐり攻撃だ!
ザーグ:はい、早速ですみません
急を要する案件でしてね
レイリー:もしかして…この事件ですか?(スマホをザーグへ見せる)
ザーグ:当たりです
この事件、魔物の出現は無いようですが
交通網を遮断する爆破の連続…
街が意図的に孤立させられています
レイリー:魔族の仕業である可能性が高いですね
ザーグ:はい
飛行機なども爆破で落とされ、救援も受けられず
総合病院も爆破されて
救護の手も足りません
現在、教団の人手もギリギリでして…
レイリー:これは…私が行かなくちゃいけないですね
ザーグ:シスター(ブラザー)、あなたは話が早くて助かります
レイリー:なるべく私が出るようなことは起きて欲しくないのですが…
それにしても、橋を落とされた時点で教団へすぐ依頼をしてくだされば良かったのに…
ザーグ:あの街の今のトップは大の教団嫌いみたいです
レイリー:それって私怨じゃないですか
ザーグ:ですよね、以前は友好的だったんですけど
-街中、避難シェルター付近
オルフェ:あの方からは「人間はなるべく多く残せ」と言われたが…
なるべく多くって、アバウト過ぎるよな?
オレの言うなるべく多くと、
あの方の言うなるべく多くはどっちも明確な数を出しちゃいない
オレの炎魔法は爆破を得意としている
いちいち人間を数えるとか土台不可能な話だ
橋や船なんかは加減しないで魔力を叩き込めるが…
人間は加減しないとただの黒焦げか灰になっちまう
ま、オレはウェルダンが好きだから表面の焦げを剥いじまえば…
普通に人間を食えるからなあ
東洋の国で言う焼肉食べ放題的なヤツだ
どんだけの人間を残すかはオレの腹の減り具合によるな
-避難民で溢れる公園
フィン:っ!……この嫌な魔力は
もしかしてヤツか?
オルフェ:……
フィン:…魔力が消えた?
かなり近くで反応があったが…
避難民の中に魔力を持つ人間がいるのか?
オルフェ:(M)ははは(笑)…
あの風貌、恐らくこの街の警察官だろう
あー、鈍いねえ、鈍い鈍い(笑)
フィン:風創世魔法、エアーエッジ!
-オルフェへ向かって風の刃が飛ぶ
オルフェ:…っと!
なかなか良い使い手だね〜
フィン:爆煙に血の混ざった嫌な感じ魔力…
お前が一連の騒動を起こしてる魔族だな?
オルフェ:やっと来たか、おまわりさん
オレの居場所を掴むのにずいぶんと苦戦したようじゃないか
フィン:非常事態の警察官の仕事は一般人の避難が最優先なんでな…
オルフェ:へえ…そうかい、お堅い仕事は大変だな〜おまわりさん
オレの名はオルフェ、オレを魔物にしたヤツを食って名前もとってやったんだ!はははは(笑)
フィン:この街は王国一の観光地だ
魔力を持つ一般人が所々にいて
お前に辿り着くまで時間をかけ過ぎた
まさかとは思っていたが…本当に単独犯とはな
オルフェ:魔族は基本群れないもんだ
オレは魔物化した元人間、運良く理性を持ったまま魔物化した!
自分の形を取り戻すために人間を食いまくってやった!
やっと人型に戻れて、いま気分は最高だ!
フィン:腹を満たすための行為にしては大掛かりだ
オルフェ、といったな
お前がこの街を孤立させた目的はなんだ?
オルフェ:ははは(笑)読むね読むね〜
そんな目的を聞かれてあっさり吐く奴いるか?ははは(笑)
フィン:(M)避難シェルターの入口が近い…くそ!
しかも俺の風魔法とは相性最悪…
あいつの爆破魔法に風魔法をぶつけたら被害が拡大する…!!
オルフェ:おっ、そろそろメシの時間だ〜
この公園の避難シェルターにはどんくらいの人間がいるかね?
シェルター内を爆風で満たして…燻製にするのも有りだな〜
さあ、どうする?おまわりさん
フィン:シェルター内の一般人を人質にとるのか…
オルフェ:人質、ねえ…
人間はオレの食料だから
人質はちょいと違うなあ
それにオレが人質をとって何か得でもあるのか?
あ?言ってみろよ、おまわりさん
フィン:…っ!
オルフェ:オレは炎魔法、しかも爆破系
だが、お前は風魔法で威力よりも速さ重視
わかっちゃいるだろうが魔法相性は最悪だ〜
フィン:この下衆が…!!
-水の塊が頭上に現れる
オルフェ:あ?なんだこりゃ
レイリー:水創成魔法、アクアマリンキューブ!
フィン:なんだ?!
オルフェ:炎炸裂魔法、エクスプロージョンアロー!
-レイリーの水魔法とオルフェの炎魔法が相殺され、水蒸気が辺り一面を覆う
フィン:(M)…あんなに大規模な爆破魔法が相殺された!
レイリー:ザーグさん、すみません!
私の魔力ではこれが限界です!
ザーグ:いえ、十分ですよシスター(ブラザー)
アイト:さっきの魔法相殺であいつ逃げやがった!!
…(匂いをかぐ)爆煙と血の混ざった汚い匂い、、、
駅前大通りの方角だ!
ザーグ:大丈夫ですか?
フィン:俺は問題無い…
ザーグ:なら良かったです
私たちは教団より参りました
私はザーグ、こちら水魔法使いのシスター(ブラザー)レイリー、
あちらはアイトと申します
フィン:俺は警察官のフィンだ
(警察手帳を見せる)
さっきは助かった、感謝する
レイリー:早速ですがフィンさん、
この街に避難シェルターは何ヶ所ありますか?
フィン:ここを含めて4箇所ある
ここから一番近いのは駅前大通りの地下にある、
駅直結のシェルターだ
レイリー:もしかして…
そのシェルターは縦長になっていて、
出入口は端々に二箇所ありますか?
フィン:あ、ああ…そうだが
レイリー:大変です!
ザーグさん、アイトさん、
駅前のシェルター入口へ向かってください!
アイト:理由は後でってことだな
とにかく急ぐぞ、ザーグ!
ザーグ:はい!
レイリー:私とフィンさんは駅とは反対側にある
避難シェルター出入口へ向かいましょう!
フィン:ちょっと待て!ここは警察の管轄だ
勝手な行動は謹んで貰いたいのだが
レイリー:そんなもの今はどうでもいいんです!
とにかく人命救助が最優先です!!
ザーグ:フィンさん、シスター(ブラザー)は元軍人で陸軍軍曹をしていた方です
指示は今出来る最適解を出してくださいます
フィン:も、元軍人?!陸軍軍曹?!
こんなに華奢なのに?!
アイト:人を見た目で判断するもんじゃないってことだよ!
レイリー:フィンさん、急いで行きますよ!
フィン:ああもう!…色んなことが同時に起こりすぎて、
もう訳が分からない!!
くそ!街が助かるならどうにでもなれ!!
ザーグ:自暴自棄は良くないかと…
まあ、でもご協力頂けるなら問題無いです
行きましょう、アイト!
アイト:おう!!
-避難シェルター駅前通り出入口
オルフェ:ははは(笑)…こんなもんで良いか、
ここへ来る前に駅前大通りにいた消防士に深い魔障を付けてやった
オレが付けた魔障は即効性が高いんだよね〜ははは(笑)
あいつらが着く頃にはもう魔物になってるだろうなあ
この消防車でも、爆破させておくか
爆発音のする所に連中の誰かが必ず来るだろ
-オルフェが消防車へ手を向けると爆発が起こる
オルフェ:この消防車の下は避難シェルターの出入口だ…
この消防車から出る煙でこっち側では人間の燻製が出来るな、
ははは(笑)楽しみだなあ〜
-ザーグとアイトは駅へ向かって走る
アイト:なあ、ザーグ
ザーグ:何ですか?
アイト:シスター(ブラザー)レイリーを連れてきたのは
警察を動かすためか?
ザーグ:それも一理あります
アイト:それも?まだ何かあるのか
ザーグ:はい、シスター(ブラザー)レイリーには
現場での経験を積んで頂きたくて
アイト:あんなに指示が的確で早いのに?
ザーグ:現場で得るものはそれだけではないんですよ
それと、実戦に出て頂かないと腕が鈍ったりしますしね
アイト:そういうもんなのか〜
ザーグ:おそらくあの魔族、オルフェは人間を食料としか思っていない
アイト:暴食の類…しかも美食家だな、あれは
人間を単純に食うヤツはもっと血なまぐさい匂いがするが…ヤツにはそれが無かった!!
ザーグ:オルフェ…わりと頭脳派のようですね…!
-レイリーとフィンが爆発音のあった避難シェルター出入口へ到着する
フィン:あの野郎!!
シェルターの出入口を塞ぎやがった…!
レイリー:まずは鎮火しないと!
水創成魔法、アクアマリンキューブ!
-爆破された消防車の鎮火完了
レイリー:火は消しました
フィンさん、この残骸をここから排除してもらえますか?
フィン:(M)シスター(ブラザー)レイリー…本当に判断が的確で早い!
この街の地形を把握して最短ルートでここまで来るとはな…!
フィン:わかった、風創成魔法、エアーエッジ連撃!!
-消防車の残骸は風の刃で切断され、風で飛ばされて出入口前から無くなる
レイリー:先ほどの爆煙がシェルター内に篭っていますので、
危険を伴いますが…シェルター内の換気をお願いします!
-複数人の足音が近付いてくる
フィン:っ!まだ出入口を開ける訳にはいかなくなったな…
レイリー:あの魔族…消防士さん達を魔物化させていたのですね
フィン:先にこっちを片付けないといけないな…
レイリー:フィンさん、国家魔術士は何級をお持ちですか?
フィン:国家魔術士の試験を受けたことは無いからわからん!
レイリー:今度試験を受けることをおすすめします
…では、
-レイリーは腰に下げていたサバイバルナイフを取り出し、封を解いていく
フィン:…この感じ、まさか…
レイリー:お気付きになられましたか…
このナイフの魔力に大半の魔術士は負けてしまうのですが…
私のようにこの魔具(まぐ)と相性が極端に良いか、
一級に近い魔術士か…たぶん、フィンさんは後者ですね
フィン:等級はよく分からないが、
その刀身が出てきた時
正直、冷や汗が出た…
そのサバイバルナイフ、
どんな魔具か聞いてもいいか?
レイリー:これは…私自身の罪、そのものです
フィンさん、あなたの方が私よりも魔力が高いので
魔物になりかけのあちらの人達をお任せして良いですか?
フィン:ああ、わかった
シスター(ブラザー)、その大物を一人で相手するのか?
レイリー:はい、これがこの場で出来る私の最適解です!
-駅前避難シェルター出入口
アイト:いやがった!!
爆煙に血に…こいつも臭さのオンパレードだ!
ザーグ:ほぼ同着ですか…
オルフェ:ははは(笑)ま、オレがこっちに来ることくらいお見通しだよな?
だが、お前らがオレを止める?出来るか??
さっきの水魔法使い、こっちじゃなくて良かったのか?
ザーグ:問題ありません
お気遣い痛み入ります
オルフェ:紳士だねぇ〜
…ん?その黒十字のロザリオ…お前、司祭か
ザーグ:はい…あなた、懺悔することはたくさんありますよね?
オルフェ:ンなもんある訳ねーだろ!
オレは腹が減ったから人間を食う
人間もそうだろ?
腹が減ったら穀物や肉、魚を食うだろ
アイト:ボクもめちゃくちゃ腹減ったよ
たしかに腹減ると、パンとかパンとかパンとか…
あれ、ボクパンしか食べてない??
オルフェ:炎炸裂魔法、エクス…
アイト:(被せて)させるか!!
オルフェ:おっと、速いねえ
アイト:身体強化魔法!ラピッドシュート!!
-オルフェにアイトの蹴りが当たる
オルフェ:くっ!以外と重たいもん食らわせてきやがる…
アイト:詠唱時間なんてやるわけねーだろ、ばーか!
オルフェ:このガキ…!
ザーグ:重力創成魔法…
オルフェ:炎炸裂魔…っ!くそっ!
アイト:させるかよ!
オルフェ:……(少し笑う)
-爆発音が響く
アイト:なんだ?!
ザーグ:(爆撃をくらう)…ぐはっ…!!
アイト:ザーグ!!
オルフェ:ははは(笑)オレの魔力を測り損ねたなあ…ガキ!!
-アイトの足が爆発する
アイト:うおおお!いってえ!!
オルフェ:詠唱破棄が出来るって情報が流れないようにオレはわざわざ詠唱時間を使って…
4日でこの街を孤立させたんだ、
オレはさ〜結構頭脳派なんだよ〜
ま、それ以上にグルメだがな(笑)
ザーグ:…先ほどあなたは自身を
元人間と、言っていましたね…
オルフェ:ああ、オレは人間から魔物化したが…
運良く理性が残ったんだよ
その後は何をしたか?人間を食いまくった
で、こうして高い魔力を持った魔族に進化したんだ〜
最高だなあ〜はははははは(笑)
ザーグ:元人間なら…オルフェ、あなた懺悔は出来ますよね?
オルフェ:なんだなんだ?オレに説教でもする気か?
司祭ってーのはそんなに偉いのか?
アイト:司祭は偉いとかそんなんじゃねーよ!!くらえ!
-オルフェがアイトの蹴りを手でいなす
オルフェ:ガキ、まだ動けんのか
アイト:このくらいの爆撃、慣れっこなんだよ!
ボクは重ねがけ、あんま好きじゃないけど
そうも言ってられないね!!
身体強化魔法、ラピッドシュートダブル!
-駅前通り出入口
フィン:風創成魔法、エアーエッジ!
…こっちはこんなもんか、そろそろあっちも終わりそうだな
レイリー:悔い改めなさい…!!
-大型の魔物は脳天にナイフを突き立てられ、倒れる
フィン:シスター(ブラザー)、こっちは片付いた!
レイリー:私の方は時間がかかり過ぎてしまいました…申し訳ないです
フィン:おいおい、何言って……っ、!!
シスター(ブラザー)!危ない!!
-大型の魔物がレイリーを蹴り飛ばす
レイリー:うっ…!!
フィン:シスター(ブラザー)!!
-大型の魔物はレイリーの方を向く
レイリー:ぐはっ…(吐血する)
フィン:おい!動けるか?!
レイリー:あばら骨と、臓器が少し…やられました、ね…
フィン:(M)くそ!!このままじゃ二人してこいつにやられちまう!!
…どうにかなんねーのか!!!
-フィンの周囲の時間が突然止まる(無音で間をとる)
フィン:…………
は?…ど、どうなってる?
周りが動いてない…
シスター(ブラザー)も…大型の魔物も…止まってる…
-フィンの回想
フィン:(M)俺は10歳で受けた魔術士学校の試験に落ちた。
父親が教団を毛嫌いするようになったのは…それが原因だ。
まだ子供だった俺は父親の言う事は絶対だと思い込んでいた。
俺は幼少期から魔力を持っていて、
風を操りいろんなものを宙に浮かせたりして遊んでいたらしい。
たまに金色の光を纏った蝶々が俺の元へやってきたが…
誰もその蝶々を見ることが出来なかった。
-フィンの目の前に金色の蝶々が現れる
フィン:…お前、もしかして
あの時の蝶々か…?
-駅前避難シェルター出入口
アイトとオルフェの肉弾戦が続いている
アイト:いい加減くたばれ!
オルフェ:ガキ、お前動きは速いが単調だな
アイト:それってボクのこと煽ってんの?
むしろボクにとっては「伸び代がある」っていう褒め言葉なんだよね!
オルフェ:何でもモノは言い様だなあ〜はははは(笑)
アイト:ボクはまだまだ育ち盛りってことなんだよ!
オルフェ:あんま調子乗んじゃねーぞ、ガキ!
ザーグ:重力創成魔法、グラビティグレース!
アイト:えっ…えええ?!
オルフェ:あ?司祭さん、あんた何してんの?
ザーグ:重力マイナス100!!
-アイトを閉じ込めた黒い球体は上へ上へ上がっていく
アイト:え、100ってマジ?……うわあ!めっちゃ上に行ってんじゃん!!ちょ!こ、こここここ怖い怖い!!
オルフェ:なんか絶叫してるぞ〜、司祭さん
ザーグ:重力プラス300!!
アイト:っ!身体強化魔法、ラピッドストリーム!!
-超高速でアイトがオルフェを目掛けて落下する
オルフェ:う、ウソだろ!!うぎゃああああ!!!
-辺り一面の地面と共にオルフェが倒れる
ザーグ:…念の為、重ねがけしましょう
重力拘束魔法、グラビティロック
オルフェ:………ぐはっ!
アイト:おえぇぇ…(気持ち悪そうにしている)
ザーグ:これでオルフェが朽ち果てるのを見届けましょう
アイト、上手くいきましたね!
アイト:上手くいきましたね!…じゃねーよ……おえぇぇ(嘔吐する)
ザーグ:あーあー、こんなに現場を汚して…
さて、あちらは終わりましたかね
アイト:ぐぅ(唸る)…腹減ってんのに…
ボクの身体から、何が吐き出されてんだよ……おえぇぇ(嘔吐する)
-駅前大通り避難シェルター出入口
レイリー:(M)う、動け…私の身体!!
こんな時…真っ先に動いてたのは私なのに!!
魔具とのリンクも切れた…このままじゃ…!!
フィン:風創成魔法、エアーブレイド!!
-轟音を立てた風の刃が大型の魔物を一気に切り裂き塵と化す
レイリー:先ほどよりも強大な風魔法…
…フィンさん…!
フィン:シスター(ブラザー)、自分のケガは治せるか?
レイリー:は、はい…!
水治療魔法、アクアマリンレイン
-レイリーを中心に周囲に傷を治す雨が降り注ぐ
フィン:…爆破魔法にぶつけた魔法といい、
あんたの魔法は大規模だな
俺が受けた傷も治ってく
レイリー:私としましては…
あまり派手な魔法はどうかと思うのです
魔法を使うと敵に居場所が簡単にバレてしまうので…
フィン:そういえば、元陸軍軍曹っていってたな
レイリー:はい、転職してもやはり…
軍人の習性みたいなものって
身体に染み付いていて直らないんですよね…
フィン:今あんたは、元軍人だろ
魔法も使い方も人それぞれだ
シスター(ブラザー)のこの魔法のおかげで俺の傷も治ってる
レイリー:そう言ってもらえると
転職を決めて良かったなって思います
フィン:転職…
レイリー:フィンさんはまず、国家魔術士の等級をとりましょう!
フィン:いきなり何だよ
レイリー:あなたは偉大な魔術士になります!…
私が保証します!!
フィン:おいおい、いくらシスター(ブラザー)が保証しても
俺が偉大な魔術士なんてもんには…
レイリー:(食い気味に)絶対になれます!!
-後日、教団内児童施設
アイト:おーっす!
レイリー:アイトさん、ケガは大丈夫ですか?
アイト:ん?いつのこと?
レイリー:この前の爆撃魔族オルフェの時のことです!
アイト:その日のうちにシスター(ブラザー)が治療してくれたから大丈夫だよ
レイリー:あれからもう1週間経ったんですね
あの街と大陸をつなぐ橋の復旧はしばらくかかるそうです
アイト:その間にボクとザーグは依頼を5件もこなしてきたよ
レイリー:そんなに?!
アイト:前より依頼が増えてるんだ
教団もそろそろ人手不足になりそうだな、はは(笑)
レイリー:笑い事じゃないですよ!
アイト:そうだな、悪ぃ悪ぃ
レイリー:そういえば今日、入団する方がいるって言ってましたね
アイト:ああ、シスター(ブラザー)きっと驚くぞ〜
-教団内、入団式後
ザーグ:あなた、行動力、決断力どちらもとても早いですね
しかも、入団前に国家魔術士一級までとってくるなんて
フィン:あの時は世話になったな、ザーグ
この転職が正しかったかどうかは
これからの俺次第だ
ザーグ:ですね、フィンさん
これからよろしくお願いいたします
フィン:こちらこそ、よろしく頼む
ザーグ:シスター(ブラザー)レイリー、びっくりしそうですね(微笑む)
-#2・完-
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