第54話 物の運び方

その翌日、鍛治師さんは店の前で待っていてくれた。


「あ、待っててくれたんですね。すみません。」


「いやいや、いいってことよ。俺がお願いしてる立場だしな。」


「それが荷物ですか?」


「あぁそうだよ。」


前世のスーツケースの様な物に入っている様だ。


荷物少なく無いか?


『このスーツケースには特殊な魔法が付与されており、この中に物を入れるとその物の重量と大きさが減少されます。』


おー。魔法って便利だな。


「だが、この作業場とかはどうするんだ?持ち運ぶ訳じゃないよな?」



「まぁそこは秘策があるので任せてください。

今から見せるので驚かないで下さいね。」


ナータ「アイテムボックス」を使用。


俺の「アイテムボックス」に鍛治師さんのこのお店ごと収納する。



「え!?俺の店は!?今何したんだ!?」


綺麗さっぱり更地になってしまった自分の店跡を見て衝撃を受けている。



「秘密にしといて欲しいんですけど、俺のスキルを使いました。無事なので安心して欲しいです。」


「いやあんたを信用してない訳じゃ無いんだが…」


「んじゃ行きましょうか」


俺は「瞬間転移」を発動して自宅に移動する。



「お?おおー!一瞬で景色が…」

 

「これも俺のスキルです。そしてここがこれから住む事になる家になります。」


「美しい家だ。調和が取れている。こんな家王都でも見た事がないぞ…」


地球の建築技術ってそんな凄いのか。


「あ、そうだ、どこら辺に作業場置きます?」


置きます?っていう言い方は違う様な気もするが。


「あ、ならそこら辺で頼む…」


「分かりました。」


俺は「アイテムボックス」から作業場を取り出す。


どーーん!


「おぉ!俺の作業場がい、一瞬で!」



「これで大丈夫ですかね?なら後は部屋を案内しますね。」



「なら私が案内するわ。」


レクが出てきた。


「レク。なら頼もうかな。」


なら後はレクに任せ、後の課題に取り組むとしよう。


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