12 異界四天王
黒髪に赤い瞳、褐色の肌。
そして背からは黒い翼――。
魔人といった雰囲気を備えた美貌の青年――それがキーラだ。
人間をはるかに超えた魔力と運動能力、生命能力を備えた異界人であり、特に魔法戦闘力に関しては異界の中でもトップクラスといっていい。
「俺たちは、お前たちとは違う世界から来た。そうだな……ストレートに『異界人』と呼べばいい」
キーラが笑う。
「で、目的だが……主にお前たち人間どもから魔力を摂取すること。つまり『食事』だ。俺たちはお前たちを殺すことで、その魔力を摂取できる。だから――」
「モンスターにあふれたダンジョンを次々にこの世界に送り込み、人間を殺しまくる。人間を根絶やしにしたら、次の『並行世界』に行き、また同じことをする……だろ?」
俺はキーラをにらんだ。
「ほう? なぜ知っている? 俺たちがこの世界に現れる兆候などなかったはず……いや、先走った馬鹿が一人いたか」
つぶやくキーラ。
「そいつから聞き出したか? それともそいつの行動から俺たちの狙いを読み取ったか? 後者なら、中々のものだ」
「どちらでもない」
俺は魔力を高めた。
最初からフルパワーだ。
ベローナの治癒が終わっていない以上、三人そろって逃げるのは無理だ。
戦闘は避けられない。
俺がこいつと戦い、足止めするという選択肢しかないんだ。
だけど――今の俺の力で、異界四天王のキーラとどこまで渡り合えるか……。
「俺の情報源を教える義理はない。ただ、お前はここで殺す――」
「この俺を殺す? くく……自信があるようだな」
ごうっ……!
キーラの全身から魔力のオーラが立ち上った。
「くっ……」
体を押しつぶされそうなほど強大で濃密なプレッシャーだ。
「ひ、ひいっ……」
背後でソフィがおびえている。
「な、なんなんです、この人の魔力――! こんな莫大な魔力を、一人の人間が……!?」
「大丈夫だ。こいつは俺が食い止める」
俺はソフィに言った。
「だから君は治癒に専念しろ。そしてベローナがある程度回復したら、すぐに逃げろ」
「えっ……」
ソフィが驚いたように俺を見つめる。
「俺はこいつを食い止め続ける」
正直、勝てるかどうかは怪しいからな。
せめてソフィとベローナだけは逃がさなくてはならない。
***
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