7 異界のダンジョン


 それは突然――出現した。


 ごごごごごご……。


 その日の三限目、教室で座学を受けていたとき、周囲が激しく揺れ始めたのだ。


「地震……!?」


 そう思ったが、何か様子が違う。


「地面が揺れていない――」


 そう、まるで空間そのものが揺れているかのような……。


「……!? まさか空間震か!」


 その可能性に気づき、俺はハッとなった。


 その名の通り、空間自体が揺れる現象――空間震。


 これが起きるということは、やがて『もう一つの現象』が起きるということでもある。


 だけど、まさか――。


「ありうるのか……?」


 俺は自問自答する。


「歴史の一部が変わったり、大きくゆがんでいるケースもあった。なら今回も――?」

「見て、空を!」


 ルリアが窓の外を指さした。


「な、何よ、あれ――」


 他の生徒たちがいちように驚きの声を上げた。


 空が、割れている。


 雲一つない晴天の、中空。


 そこに赤黒い亀裂が大きく走っていた。


 亀裂が少しずつ開き、そこから黒い稲妻が無数に降り注ぎ――学園の校舎や敷地を打ち据える。


 同時に漆黒の輝きが学園全体を覆った。


 大気が、また震える。


 地面も、建物も、そして空間自体も激しく震え続ける。


『空間震』は十分程度続いただろうか、それが止んだとき、周囲の景色は一変していた。


「……とうとう、現れたか」


 俺は表情を引き締め、周囲を見回した。


 学園全体が巨大なドームにすっぽり覆われているのが分かった。


『異界のダンジョン』。


 形態はいくつかあるが、その名の通り異世界からこの世界に出現するダンジョンの総称だ。


 内部には強大な『異界のモンスター』が多数生息し、中心部に『ダンジョンコア』が存在する。


 一定時間、ダンジョンを放置すると結界が解かれて、『異界のモンスター』がダンジョンの外に出てしまう。


 解き放たれた『異界のモンスター』は破壊本能と殺戮本能のままに暴れ回り都市に甚大な被害をもたらす――。


 これを防ぐためにはダンジョンそのものを閉鎖して、『異界のモンスター』が外に出られないようにするしかない。


 そしてダンジョンの閉鎖に必要なものは、『ダンジョンコア』の封印だ。


 だから『一周目』の世界での『異界のモンスター』対策は、基本的にダンジョンに潜り、この『ダンジョンコア』を封印する作業ということになる。







***

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