5 さらに引き続き女子五人と親睦を深める


「ねーねー、さっきからソフィちゃん、なんかソワソワしてない?」


 ふいにルリアが言った。


「ひうっ!?」


 ソフィがびくっと体を震わせる。


「そ、そんなこと……ないですよほぉ」

「めちゃくちゃ声裏返ってる!?」


 俺は思わずツッコんだ。


「でも、確かに緊張してるみたいに見えるな」

「だ、だって、普段は男の人と話すことなんてないですし……」


 ソフィが言った。


「魔法学園にはギルバートさん以外に男子生徒はいませんし。教官も全員女性ですから。普段は女子校に通っているような感覚なんですよね。今までギルバートさんとはクラスが違って、話す機会もありませんでしたし……」

「確かに、そうだな」


 対抗戦リーグが始まるまで、俺はソフィと話したことがなかった。


『一周目』でも『二周目』でも。


「じゃあ、せっかくだし今日は少し話していこう。俺、ソフィとも友だちになりたいし」

「っ……!」


 たちまちソフィの顔が真っ赤になった。


 ん?


「むむむ、ナチュラルに口説くとは……」


 アーシャがまた険しい表情になっていた。


「先輩、意外と手が速いね~」


 と、これはベローナ。


「草食系っぽく見えて、実は肉食系? あたしと一緒じゃん」

「ベローナは肉食系なのか……?」


 そういえば、恋愛に積極的なタイプだって『一周目』のときに言っていた気がするな。


 ……その割に恋愛経験がゼロだとも言っていて、結局どっちなんだよ、ってなったけど。


「ふうん」


 ルリアがニヤニヤ笑いながら俺を見つめた。


「ギル、なんか性格変わってない? 前は女の子にそんな態度取らなかったでしょ?」

「そうか?」


 俺は首をかしげ、


「……そうかも」


 まあ、ここにいるメンバーは『一周目』の世界じゃ十年来の仲間だし、親友だと俺は思ってるからな。


 さっきみたいな台詞も自然と口をついて出たんだ。


「でも、それはみんなのことを仲間だと思ってるから……全員と仲良くなりたい、って思ってるから、俺はもっと積極的に話しかけたり、距離を縮めていこうって……ただそれだけだから」

「ますます昔と違うなぁ。ま、いいけど」


 ルリアがジト目で俺を見た。


「……幼なじみとしてのアドバンテージは揺るがないし、ね」

「えっ?」

「ふふふ、独り言」


 キョトンとした俺に、ルリアはパチンとウインクをした。







***

〇読んでくださった方へのお願いm(_ _)m


電撃の新文芸に応募中です!


読者選考を通過するために、★や作品フォローの数が重要になってきます……!

☆☆☆をポチっと押して★★★にして応援していただけると、とても嬉しいです!

今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひ応援よろしくお願いします~!



〇掲載中の別作品です。

『異世界にクラス召喚されたら一人だけ役立たずで追放→実は最強スキルだった【ネクロマンサー】が覚醒。俺を追放した連中が落ちぶれる中、俺だけが無双して成り上がる。』

下のリンクから飛べますので、フォローや★の応援をしていただけたら嬉しいです! ぜひお願いします~!

https://kakuyomu.jp/works/16817330668097424025


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る