20. 雨樋

小学校5年生頃になると夜にお母さんが出かけたあと遊びに出るための知恵をつけ始める。


二階の窓から一階の屋根に乗り、雨樋を伝って地面に降りる。


家事などがあった時は出してあげてと隣の家のおばあさんに鍵を渡していることを知っている私は

家に帰りたい時にはおばあさんに開けてもらっていた。


深夜に起こされて迷惑だっただろうに

私たちが普段から折檻されているのを知っているのであろう、口止めしたら言わないでくれていた。


ある日、お母さんが仕事に出たあと家を抜け出してひろくんと2人、小学校のプールに忍び込んだことがあった。


校舎裏の非常階段を囲むフェンスを乗り越え、非常階段を上がり、屋上にあるプールにたどり着き、全裸でプールを楽しんでいた。


しばらくプールで遊んでいたら

非常階段を登る音が聞こえてきた。


まずい、誰か来た。と2人で息を潜める。


警備員や警察の類かと思って緊張していたが

現れたのは卒業生との事だった。


怒られたり捕まったりしないことに胸をなでおろしさっさと服を着て帰宅した。


行くあてもなくただ繁華街や家の付近の公園を深夜に徘徊しているうちに同じように徘徊している同年代の知り合いもできた。


彼等は息するように万引きをしていて

私も一緒にするようになった。


その後、1人が見つかり全員が警察に連行される。


見つかった子以外は一緒にいただけでまだ何もしていなかった。そのためその子の親が呼び出され、警察の前で怒られたあと解散になった。


その後その子たちと会うのをやめた。何となくであるが。

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