11. 引越し

おばあちゃんは意外と激昂することなく、

気の抜けたようだった。


翌日からおばあちゃんは帰ってこなくなり


わたしとかおり、お母さんの3人での暮らしになった。


おばあちゃんが時々デパートへ連れて行ってくれていたがそれがなくなり、もともとほとんど家にいたのが更に缶詰になった。


お母さんの帰りを恋しく思い夜更かしすると

お腹が減って辛い夜もあった。


火を使うことは厳しく禁止されていたので

ハムをかじって凌いだりした。


時々お母さんが深夜に帰宅後

ご飯食べに行こうか!と夜の街に連れ出してくれる。


堪らなく嬉しかった。


子供でも一人1万円はするようなお寿司、サシの入った焼肉、ご飯以外だと(おかまバー)に連れていってもらったこともある。この時ピンクのカツラをしたおカマが怖くて逃げ回って泣いたのはいい思い出である。


「まいちゃん、そろそろ小学校だね。」


そう言う母から引越しをするのだと聞いた。

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