同時刻、生徒会室
生徒会室には異様な空気が流れていた。転校生を迎えに行った我らが会長である稔の様子が変なのだ。見た目とは裏腹に、勤勉で真面目な稔が帰ってきてから心ここにあらずなのである。
原因は十中八九転校生だと検討はつく。しかし、何があったかまでは分からず役員は皆、聞くに聞けない状態であるが、勇者が1人…
「会長~、転校生どんな感じだった?」
ピンクの髪にくりくりの目をした勇者が。生徒会のムードメーカーであり書記を務めている村瀬瑠季、彼はあまりの会長の変わりように興味津々なのである。
「ッあ、あぁ、写真通りきりぇ…綺麗な顔だった。礼儀もあり、問題は起こさないだろう。」
シーーーン
役員は全員パニックである。なぜなら、全校集会などで前に立った時ですら噛むことのない会長が噛んだのである。加えて、会長は動揺からか噛んだことに気づいていない。
「稔、舌大丈夫ですか?」
会長の幼馴染兼副会長である四宮悠希は、心配で思わず問いかけた。彼の柔らかく、長い栗色の髪に同色のたれ目な瞳、そして誰にも分け隔てなく接する姿は、そうまさに女神!!って言うのは置いといて…
「舌……問題ない。」
役員は知らない。そう答えた、「……」の間に会長が何を考えていたのかを…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます