前編
それは数年前、暑い真夏の出来事だった。
午後九時頃、私はいつも通り愛犬との散歩中。彼と共に薄暗い夜道を歩いていた。
散歩を終え、その日は睡眠不足だったこともあり眠気を
いつもの散歩コースである大通りからマンションの角を左折して住宅街へと入り、通行人が
いつものことだな。そう思い、はじめは特に気に留めず聞き流していた。
しかし、暫くするとそれは徐々に大きな音へと変化して行き、そして、その音は突然鳴り止む。
すると次の瞬間、薄暗い空間が一瞬稲妻のような光に包まれ、何やら奇妙な雰囲気になってきた。
飛行機にしては何処か様子がおかしい。
そして、私は恐る恐る空を見上げる。
するとそこには、右手に見える二階建ての民家の屋根のちょうど真上くらいの高さに、なんと巨大な
機体の表面には無数の青白いライトを点灯させ、反時計回りに
UFOは高度はそのままゆっくりと直進し、やがて私たちの頭上で動きを止める。
それはあまりにも突然で、且つ衝撃的な出来事だったため、思わず右手に握っていたトートバッグが手から滑り落ちてしまう。
気付けば先程までの眠気など吹き飛んでしまっていた。
ふと私は左手に握っていたリードの先に居る愛犬のほうへと目を遣る。
すると、彼は私の左脚にピタリと密着し、尻尾を下げ震えていた。
そして、私はしゃがみ込み、彼を抱き締める。
私自身も逃げようにも恐怖心から身体が
その光は私たちを包み込み、徐々に明るさを増して行き、遂には視界が真っ白になり何も見えなくなった。
そして、私はあまりの
────そう、見ての通り、私たちは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。