1日目 夜

私達は歩いている内に今夜泊まる場所まで着いた。といっても辺りは背の低い草原と小高い丘ばかりで、簡易的にテントを張るだけだ。まだ敵軍は見えないが、この戦場に参加するカルニア国の兵士の大部分は来ていた。私はこの数え切れない程の大軍を見て負けることはないと思って居たが、今になって考えてみるとあと5倍は欲しかった。私は振り分けされた旅団に行き、作戦についての話を聞いた。

そして、説明の最後に旅団長の演説を聞いた。その演説を書き記す。

「 ジェイソン・スミスダニエル・ジェン キンスマーク・チョーク マイケル・タラコバ ポール・ステイト パトリック・キム ジェー・スミス ヘンリー・ブラウス ダニエル・ヴァンキャンプ マーク・ムーニー マーク・ペロソーダニエル・ウィニック ダニエル・ジェイ・カーク ロバート・ガンダートン ダニエル・ノックス マト・ジェラード ランド・パルカス F・ラッセル ジョン・レムケ パトリック・ストウ… 私、旅団長ノアン リアン、以上5371名が我が第三旅団のメンバーだ」と小一時間かけて手前から順に旅団全員の名前を呼んだ。この時恐らくこの場の殆どは、寒いこともあって全員疲れて居ただろう。ノアンは口を開く。

「全員名前を聴くのを飽きて来ただろうな。だが、案ずるなあと三分で終わる」そう言うと叫んだ。「この名前を呼んだお前達はこれから死ぬことはない。何故なら私が全員覚えて居るからだ。死ぬと言うのは忘れさられること、 私は自分が殺した戦友を忘れた事など一度たりともないッ」ノアンは、そう演説し集会を終えた。考えてみれば私達は順番は適当に並んだ、だがノアンは全員の名を順番に呼べていたという事は、ノアンは全員の顔と名前を覚えていた事になる。

その後私達は、隊の組分けをして持ち前のテントに入った。そこは人で溢れそうなほど苦しかったが明るい場所だった。私達は、寝る前に乾パンを配られそれを食べた。

固かった。

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ランドの追悼 亜鉛 @aeneherium

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