【それ】については、何もわからないまま
木の傘
ふゑあり様 全3話
ふゑあり様 1/3
僕が言うのも何だけど、僕の父は穏やかで素敵な人だ。
母はドラマで恋愛のシーンになると、
「お父さんはいつも笑顔を絶やさずにいて、滅多な事じゃ怒らないし、安心感もある素敵な人よ。あなたもそういう人を連れて来なさいね」
なんて、冗談っぽく姉に惚気を聞かせている。
父は困った時は力になってくれるし、僕達のことを応援してくれるし、理不尽に怒らず、いつも穏やかな笑みを浮かべている。母が父に向ける想いとは違うけれど、僕も姉も父を尊敬していた。
だけど……父と一緒にいると安心できない。
父が悪い訳じゃない。父が持つある体質のせいだ。
それがあるから、僕と姉は父を恐れている。外から父が帰って来るたび、父と一緒に出かけるたび、父の顔を見る僕達は、過去に体験した恐ろしい出来事を鮮明に思い出してしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます