子守のBogies《ボギー》

南瓜の王冠

街のブギーマン

第1話

塩田 佐藤は何処にでもいる一般人

これと言った特徴のない男子高校生でありクラスメイトに聞けば3秒位経ってから「…あの佐藤ね、はいはい」と言った反応をされる位の一般人…過去形である。


「あの」と聞かれて「どの?」と返される佐藤は何か運悪く心臓が止まって死に…怪異『ブギーマン』に生まれ変わっていた―尚異世界ではない、現代である。


正直佐藤は現代がファンタジーである事にも驚いていた―もう伝える相手はいないし、何なら前も伝える相手はいなかったが。


「知り合い?」と聞かれれば「はい」と答えるが「友達?」と聞かれればちょと悩ましいそんな割といる一般人の一人が佐藤だったのだ。


さてここにきて(三日目)『ブギーマン自分』とは何ぞやとなった佐藤はWi-Fiで調べる事にした―内心最近の怪異ってハイテク何だなと思いながら。


ブギーマン―特定の形を持たず子供達の心の中の恐怖が実体となった怪異。

様々な名前を持ち子供達の躾に名前を使われる事もある。


所謂「良い子にしないと怖いお化けが攫いに来るよ」の怖いお化けだ。

近しい有名どころを上げるならばナマハゲになるかもしれない。そんな感じの怪異だ。


ところで怪異とは何かと聞かれれば「大抵は認識などによって生まれより広く深く認知され霊力を持つ存在を食らうことによって強くなる化け物」―大体こんな感じになる。


基本的に怪異は己の在り方為す事によって飢えを満たし強大になる、つまり佐藤―ブギーマンにとっては子供達を恐れ震え上がれさせトラウマを植え付け心をもて遊び最終的にその身を食らうのが本来の在り方になる―筈だった―本来は。


幸か不幸かこのブギーマンには一つだけ致命的な問題があったのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

子守のBogies《ボギー》 南瓜の王冠 @pumpkinthecrown

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ