SCENE 18:蠢動

 広大な宇宙の辺境に浮かぶ、とある小惑星。

 普遍的な鉱物型小惑星であったが、一つだけ奇妙な点があった。


 大小無数の穴で、地表がびっしりと埋め尽くされているのだ。


 穴の直径はまちまちで、数十メートルから数百メートルと幅広く、底も深い。


 ——そんな穴に、ポツリと赤い光が灯った。


 暗闇に灯った炎のようにも見えたが、そうでないことがすぐに分かった。


 初めは一つだけだった光が、一つの光に共鳴するように爆発的に増殖していく。


 赤い点が無数の穴が埋め尽くし、やがて地響きのような振動が小惑星全体を包んだ。

 そして轟音が頂点に達した時。


 黒い影が巨大な濁流となって穴から吹き出し、宇宙空間へと飛び出した。


 その黒い濁流は一様にを目指し、飛び去っていった。

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